内容説明
イエス・キリストを教義の枢要な地位におくマーニー教は、ゾロアスターや仏教の要素を接取しつつ東西に拡散、「真のキリスト教」との自認のもとに一時は全ローマをマーニー化する勢いをしめしたが、その教勢も今日までにほぼ消滅、真の姿はいまだベールをかぶったままだ。後に「異端=マーニーの残党」とイメージされるほどの恐怖をキリスト教会に植え付けたマーニー教とはいかなる宗教だったのか?この古代の魅力的な宗教についてグノーシス研究の立場から考察し紹介する、絶好の入門書。
目次
第1章 マーニー教の再発見―論争と資料(新旧の論争;「他者」としてのマーニー教 ほか)
第2章 マーニーの「多様な」生涯(マーニー教のアイデンティティー形成における宗教的伝記;マーニーは不可知か? ほか)
第3章 マーニー教神学(1)―神学と文献(文献的使徒マーニー;「全ての秘義を青銅の碑版に記せ」―マーニーの福音の永続化 ほか)
第4章 マーニー教神学(2)―宇宙、祈祷、教会(マーニーの神話と聖職者;「不完全な序盤、弛緩した中盤、退屈な終盤」―神話の語り部マーニー ほか)
著者等紹介
ベーカー=ブライアン,ニコラス・J.[ベーカーブライアン,ニコラスJ.] [Baker‐Brian,Nicholas J.]
カーディフ大学講師。専門は古代末期の宗教
青木健[アオキタケシ]
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(博士(文学))。現在、慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専門はゾロアスター教、イラン・イスラーム思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。