内容説明
アメリカを代表するフェミニストが自身の体の変調をきっかけに、「ヴァギナ」とはなにかという謎に迫る。歴史、文化、社会を横断し、精神医学や脳科学、さらには宗教学やタントラといった領野までも渉猟して、ついに衝撃の真実にたどりついた。「ヴァギナ」とは身体なのか、それともそれ以上の存在なのか。「ヴァギナ」論の決定版!禁断のとびらをひらく、渾身のルポルタージュ。
目次
第1部 ヴァギナはただの性器なのか(驚くべき骨盤神経との出会い;すばらしい自律神経系 ほか)
第2部 征服と支配の歴史(トラウマを負わされたヴァギナ;ヴァギナは聖なるものとしてはじまった ほか)
第3部 誰がヴァギナに名をつけたのか(この世で最低最悪の名前;それがそんなにおかしいこと? ほか)
第4部 女神の身じたく(最愛の人は自分自身;ラディカルな悦び、ラディカルな目覚め―解放者としてのヴァギナ)
著者等紹介
ウルフ,ナオミ[ウルフ,ナオミ] [Wolf,Naomi]
1962年生まれ、批評家、作家、リベラル・フェミニスト。イェール大学卒業、オックスフォード大学にて博士号取得。第3次フェミニズム運動の論者の1人。処女作『美の陰謀 女たちの見えない敵』が国際的ベストセラーになり、一躍著名人となった
桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロードシス2017/03/02
シマ
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ヴァギナとは膣口のことだが、著者は陰唇からクリトリス、子宮頸部を含めた女性生殖器全体をそう名指しし、女性性を象徴するものとして扱う。女性の身体は質において男性と異なるが、性器や骨盤の神経の複雑さを強調し、それがセックスに及ぼす影響を教えてくれる。いまの男性を手本とした身体活動と女性の身体の負担が想定される。性交後の肉体と感情の悦びでもたらされる一体感、ヴァギナとペニスとポルノなどにも言及されるが、アラン・フィッシャーを引いて、(哺乳類の)性対象選択の場では雄でなく雌が選択権を有していることを強調している。2022/10/22