内容説明
冒険小説を読み漁り、父の影響で映画を観まくり、英文学者にあこがれていた少年。彼はさまざまなプレッシャーのなかエンジニアへの道を進み、そうして一掴みのチャンスをものにして一流の研究者になった。しかし、彼は研究者生活を終えたあと、突然に工学部の「語り部」なることを決意する―。いま明かされる「工学部ヒラノ教授」の秘密。
目次
定年退職
エンジニアに向かない少年
工学部に紛れ込んだ青年
研究者への道
研究者の寿命
「工学部の語り部」の誕生
収容所生活
大震災と妻の死
『終わりのない物語』
ノンフィクションからセミ・フィクションに
名誉教授の独居生活
語り部の評判
大学の危機と語り部の提言
工学部の語り部の役割
著者等紹介
今野浩[コンノヒロシ]
1940年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部応用物理学科卒業、スタンフォード大学大学院オペレーションズ・リサーチ学科修了。Ph.D.工学博士。筑波大学電子・情報工学系助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授、中央大学理工学部経営システム工学科教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hatagi59
3
先生のイメージが、どんどん変わってくるなぁ・・・。 書評を結構気にされていて、Honzメンバーの名前が出てきた時には驚いた。 それよりも、大学への提言は、ご尤もな感じ。特に教授の能力、得意分野に応じて、力を入れてもらうタスクを分けて、結果を出していくという点。 組織のマネージメント、大学関連の業務が不得手な人で、研究、教育能力が抜群に高い人には、そういうのはやってもらわずに、得意なところに注力して貰った方がいいよな。 悪平等が蔓延っていると、優秀な人からいなくなってしまうよね・・・。2016/02/03
いっちょらるれ~
3
確かに1990年代大学は毎日行くところではないらしいと思っていました。理系の弟二人が毎日大学に行くのを見て「あれ、大学って毎日行くの?」と不思議に感じたのを覚えています。そして、次女が工学部に通う今(駅弁大学ですが)もっと早く今野先生の本を読んでいれば・・・と思うのです。2013/11/02
takao
2
ちょっとした、回想話。同じ話を繰り返し書いているのは、1冊しか買わない読書のため。2017/08/23
takataka
2
ブックファーストでたまたま見つけて、図書館で借りてきました。ヒラノ教授スミマセン・・・ ヒラノ教授の生い立ちから、執筆現在までのヒラノ教授の変遷が分かります。ちょうど新潮文庫でも刊で出ましたね。パラパラのぞいてみるとSTAP細胞についてという項目がありました。文庫用に書き下ろしたのかな?2014/12/28
ご〜ちゃん
2
「大学教授は、本を読んでいるだけで尊敬されるいい職業だ」という勘違い。本を読むのが趣味の少年が、そのまま結果として大学教授になったということ。淡々と書かれた文章だが、とても読みやすく面白い。2014/02/15