日本美を哲学する―あはれ・幽玄・さび・いき

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  • サイズ B6判/ページ数 279,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791767212
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C0010

内容説明

移ろう四季の自然と暮らし、人と人との出会いや別れ…、日本人の生はいつも美の発見とともにあった。この国に生きる私たちにとって、美に対する感動は常に自らの存在や世界との関係性をみつめなおす契機となってきた。和辻哲郎、九鬼周造、大西克礼、岡倉天心といった近代日本の知の巨人たちの言葉を通じて、伝統的な美意識や、和歌、俳諧、茶の湯、能、浄瑠璃、建築、仏教美術など数々の芸術美の根底に流れる思想をつかむ。

目次

第1部 日本人の美意識(あはれ―天地有情の世界;幽玄―余情と無;さび―複眼の美学;いき―対峙する精神)
第2部 日本人の芸術観(茶の湯―「型」と「座」;建築と庭園―「気合いによる統一」;演劇―「道行」のゆくえ;仏像―ナショナリズムとグローバリズム)

著者等紹介

田中久文[タナカキュウブン]
1952年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業、同大学大学院博士課程修了。文学博士。現在、日本女子大学教授。専攻は倫理学、日本思想史。著書に『九鬼周造―偶然と自然』(ぺりかん社、第一回中村元賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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くれは

2
冒頭の「あはれ」論が一番面白かった。本居宣長の「もののあはれを知る」論は“モノに心が宿る”単純な汎心論だと誤解していたが、そうではないらしい。人の心(情意・あはれ)は、デカルト的な「内面に閉じた意識」だけでは生じ得ず、自らの外部にあるモノやコトに思いをめぐらせ「世界の本質を知る」ことによって初めて生じるのだ、ということなのだそうだ。また「知る」とは一般化・概念化されたイデア的本質を知るのではなく、眼前の個々のモノコトに息づくそれ自体を知ることであり、これはフッサールのエポケー批判にも通じる考え方だと思う。2015/01/08

れぐ

1
良著だけど,バサラや風狂といった日本美の積極的な側面がすっかり抜け落ちているのはいただけない2014/07/20

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