内容説明
量子力学のパイオニア、エルヴィン・シュレーディンガー。彼の背後には、実に多彩で人間らしい、ちょっと変わった人生があった。「猫の人」だけでは語れない、シュレーディンガーをとりまく20世紀物理学史。
目次
ロケットサイエンスではない
一九世紀少年
シュレーディンガー以前の物理学
二〇世紀人
第一次量子革命
スイスでの堅実な地位
行列力学
シュレーディンガーと第二次量子革命
ベルリンでの最盛期
量子猫の登場
行って、帰って
「人生でいちばん幸せな年月」
『生命とは何か』
ウィーンへの帰還
シュレーディンガー科学の遺産
著者等紹介
グリビン,ジョン[グリビン,ジョン] [Gribbin,John]
イギリスのサイエンス・ライター
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hayato Shimabukuro
2
本書は、量子力学のパイオニアであるシュレーディンガーの科学的業績だけでなく、彼の人間関係(主に女性関係)にも焦点を当てている。 シュレーディンガーは、量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式や、「シュレーディンガーの猫」として知られる思考実験を提唱し、量子力学の発展に大きく寄与したが、本書では、彼のこれらの業績がどのように生まれたのか、その背景や過程が詳しく描かれている。 2024/12/22
奏
2
非常に面白かった。そして、それと同じくらい、帯が凄く良かった。 ー「方程式」と「猫」の人でしょ。ー 量子力学のパイオニア、エルヴィン・シュレーディンガー。彼の背後には、実に多彩で人間らしい、ちょっと変わった人生があった。「猫の人」だけでは語れない、シュレーディンガーをとりまく20世紀物語学史!
belier
2
「方程式」と「猫」の人は、「不倫」の人としても有名だ。その愛多き人生をこれでもかとやたら詳しく語っている。コンパクトによくまとまった量子論解説を織り込んでだが。これまで量子論入門書では、倫理に問題ある人だし、猫の思考実験は残酷だし、古い考え方の人だしと否定的に言われることも多かった。この本では、いやちょっと待てシュレさんこそ、現代最先端の量子物理学の先駆者なんだという、斬新な主張がなされている。コペンハーゲン解釈派が斜陽ということで、シュレさんも見直されているのだろうか。量子論、伝記、歴史を楽しめた。2013/06/01
まっしー
1
大物理学者、シュレーディンガーは「愛」をエネルギーとする人物だった。その「エネルギーを得る方法」に問題がなかったとはいえないが、人間味あふれる内容であった。 量子力学が誕生する過程はやはり面白い。教科書で見知った顔ぶれが議論する姿は、当時の興奮を伝えてくれるだろう。 味気ない教科書に飽きた人に、おすすめ。2013/05/16
takao
0
ふむ2017/07/12