内容説明
第16代ローマ皇帝マルクス・アウレーリウス・アントニヌス(紀元121‐180年)は、ギリシア以来のストア哲学に傾倒し、五賢帝のひとりに数えられるが、じつは書斎の人でなく彼の治世のほとんどは帝国周縁部での異民族との戦いに費やされた。彼が皇帝としての職務を果たしながら、戦闘の合間あいまに哲学的・人生論的所信を書き記した『自省録』は、現代まで多くの読者に読み継がれてきたストア派の古典的名著である。
目次
第1章 ストイシズムとは何か―序にかえて
第2章 宇宙の中の人生
第3章 変化を恐れない
第4章 公務に生きる
第5章 哲学を生きる
第6章 すべてを受け容れる
第7章 人生における救い
著者等紹介
岡野守也[オカノモリヤ]
1947年生まれ。関東学院大学大学院神学研究科修了。サングラハ教育・心理研究所主幹。日本仏教心理学会前副会長。法政大学、武蔵野大学、桜美林大学で教鞭を執る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魚京童!
12
セネカ読まなきゃ2015/11/04
バケツ
4
うーん、響くところもあるがどうも説教臭く感じてしまう。そもそも私は『自省録』をあまり楽しく読めていないので、この感想も当然だったかもしれない。古そうな装丁だが東日本大震災への言及が多く、どうやら震災以降の本らしい。2023/12/19
aoya513
1
宇宙の進化=自己複雑化,自己組織化に貢献することがストア派の基礎理念.宇宙的な視点に立てば,全ては起こる必要のあること.なぜなら宇宙全体は外部を持たず,それゆえに宇宙は宇宙のためになるものしか持たないから.そのような視点を持って事象を読み解けば,世界を自己と対立させ,幸不幸,利害といったものにかかずらう心は消える.そのとき困難を乗り越え悲しみに負けない強い心がもたらされる.なぜなら人間は,不動心に近づくほど力に近づくから2019/04/14
ミッツデラックス
1
ストイックとはストア派の思想に由来するが、現代的な禁欲的な側面に留まらない思想であることが分かった。またあらゆる出来事を宇宙の理法の結果として甘んじて受け入れ、自分の義務を果たすべき、という考えは是非とも真似したいが実際には難しいだろう。あらゆる出来事を受け入れるとなる個人的にはニヒリズムに陥ってしまうだろう。マルクスアウレリウスはさぞかし素晴らしい人格の持ち主だったのだろう。2018/04/19
なむなむ
0
丁寧に。何度となく。死ぬことや、幸福の在り方を自分自身に言い聞かせる。そうでもしないと全う出来ないような過酷な人生を歩んだ。何か大きなものの一部であること、自分がちっぽけな存在であると認めることは救いだね。それを認めつつより善く生きよう、という粘り強さにこそ本物の情熱が生まれる気がする。2023/06/05