内容説明
ニーチェ、アドルノ、ラクー=ラバルトなど多くの思想家を魅了し続ける巨人ワーグナー。そのイデオロギー的枠組みを整理し、現代哲学の軌跡をも大胆にたどるワーグナー熱愛者による壮大で挑発的な講義録。
目次
第1講 現代哲学とワーグナー問題―フィリップ・ラクー=ラバルトの立場
第2講 アドルノの否定弁証法
第3講 哲学的問題としてのワーグナー
第4講 「ワーグナー問題」の再開
第5講 “パルジファル”の謎
附論 ワーグナー、反ユダヤ主義、「ドイツ観念論」―後書き
著者等紹介
バディウ,アラン[バディウ,アラン][Badiou,Alain]
1937年モロッコ生まれ。哲学者。高等師範学校(ユルム校)に学ぶ。パリ第八大学哲学科教授、国際哲学学院教授を経て、高等師範学校哲学科主任教授。詩、数学に造詣が深く、また小説、戯曲、映画評論をも手掛ける
長原豊[ナガハラユタカ]
1952年富山県生まれ。法政大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
2
ワーグナーについて知りたいのとバディウの雰囲気をつかみたい+ジジェクの解説ということで読む。それだけのニーズに応えるコスパの高さ。全体性やゲルマン民族の神話などなどネガティブなイメージを払拭することがバディウのもくろみ。ワーグナーはもっと現代的である、と。議論の土台にアドルノが援用される。恥ずかしながら自分は音楽の知識が浅いのだけれど、哲学の話題がむしろメインで慣れてる人には読みやすい(と思う)。ジジェクはいつも通り(笑2012/10/25
y
0
内容としては対照的な、ラクー=ラバルトの『虚構の音楽』と一緒に読むとおもしろい。2018/03/09