内容説明
強者はより強者に、弱者はより弱者に―。なぜ世界では不平等と格差が無くならないのか?不確実な時代の真実を解き明かす世界的社会学者の最新成果。
目次
第1章 アゴラから市場へ
第2章 コミュニズムへの挽歌
第3章 リキッド・モダンの時代の社会的不平等の運命
第4章 見知らぬ人間は本当に危険か?
第5章 消費主義と道徳
第6章 プライバシー、秘密、親密性、人間の絆など―リキッド・モダンの巻き添え被害者
第7章 運と対策の個人化
第8章 近代のアテネに古代エルサレムの疑問への回答を求める
第9章 悪の自然誌
第10章 われわれのような貧しい人間
第11章 社会学―どこからどこへ?
著者等紹介
バウマン,ジグムント[バウマン,ジグムント][Bauman,Zygmunt]
1925年ポーランド生まれ。イギリスのリーズ大学とワルシャワ大学の名誉教授
伊藤茂[イトウシゲル]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/10/12
hakodadi
1
コラテラル・ダメージはシュワルツネッガー主演の映画の題名とおもいきや、なんと分厚い社会学の研究書もあった!簡単に訳せば「巻き添え被害」だが、実は現代社会における深刻な病理一般に広く敷衍できるコンセプトだ。例えば、財政難の中で福祉の水準を切り下げていくようなときによく採られる政策が、失業者や障害者などのマイナリティに対する「嫌悪」感を煽り、救済のしがいがない存在として切り捨てるという意図的なキャンペーン。実はより広範な福祉の削減が本音。最近の安倍政権のやりかたにどこか似ていないか?2014/10/21
こひた
1
訳出をファジーに残してる(英単語:1訳、2訳、3訳)ので、イメージはつかみやすく文脈はとりずらい。内容はオーソドックスだが重要。2012/06/07
みっけん
1
コラテラル・ダメージは軍事用語であり、意図しない、予期せぬ被害を与えてしまう効果を意味する。もたらされる効果をコラテラル(巻き添え)とみなすことは、その効果が考慮されていなかったか、リスクを冒す価値があると考えられていたということである。しかし忘れてはならないのは、リスク計算をする者の不当に大きい権限である。サイコロは投げられる前に細工されている。。。このようなバウマンの刺激的な視点から繰り出される、現代社会の考察は圧巻であった。震災後の社会を考える上でも役立つ指摘も多々あり、是非多くの人に読んでほしい。2012/03/28
メルセ・ひすい
1
15-135★5流体的近代!「リキッド・モダニティ」バウマン社会学。これがキーワード。リキッド・ラブ リキッド・ライフ って人類滅亡への特急券。「不確実性」立ち位置が定まらないままの一生。リキッドラブ…スピ?とかいいつつ、倫理感のない勘違い同棲の氾濫。子作りを目的としないセックス等々 また、文明が社会が高度化?すると、世界では不平等と格差がますます増殖する?不安と自己本位の不確実な時代の真実を解き明かす、世界的社会学者の最新成果。今日の切実な問題を、コラテラル・ダメージなどのキイワードを駆使して解析。2012/02/20