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暴力―6つの斜めからの省察

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  • サイズ A5判/ページ数 268,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791765737
  • NDC分類 361.3
  • Cコード C0010

内容説明

紛争・衝突と内戦、テロと暴動そして流血だけが悲惨なのか。貧困と暴力にきめこまかに心を配る一方で、グローバリズムに邁進する政治・経済システムから大胆に搾取するリベラル・コミュニストの欺瞞こそが、今日の暴力の最たるものではないのか。ポスト資本主義時代の“暴力”の諸相を根源から捉え直す、創見溢れる論考。

目次

序 暴君の血まみれのローブ
1 ゆるやかに、しかし過度でなく、そして非常に表情豊かに(アダージョ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・エスプレッシーヴォ)―SOS暴力
2 中庸の速度で軽快に―ゆるやかに(アレグロ・モデラート‐アダージョ)―汝の隣人を汝自身のように恐れよ!
3 歩くような速さで、しかし度を過ぎず、また大いに歌うように(アンダンテ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ)―「血に混濁した潮が解き放たれ」
4 きわめて速く(プレスト)―寛容的理性のアンチノミー
5 とてもゆるやかに―歩くような速さで(モルト・アダージョ‐アンダンテ)―イデオロギー的カテゴリーとしての寛容
6 軽快に(アレグロ)―神的暴力
エピローグ ゆるやかに(アダージョ)

著者等紹介

ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ][Zizek,Slavoj]
ロンドン大学バーベック・カレッジ人文学ディレクター。スロヴェニアのリュブリアナ大学教授。ラカン派マルクス主義者として、哲学から文化批評まで世界の思想界を活性化し続けている

中山徹[ナカヤマトオル]
一橋大学大学院言語社会研究科准教授。イギリス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

61
テロ、暴動や国家間の紛争などの目に見える暴力噴出の背景を捉えるため「これまでとは違う立場」から暴力を考えてゆく本。そこで露わになるのは、テロや貧困の根絶のため慈善を行うリベラル・コミュニストたちがテロや貧困の根本原因なのだという事実や移民への寛容は「主人側の文化価値に順応する限りにおいて」という欺瞞、グローバル資本主義が引き起こす、自国の経済を守るの壁とそこから除外された外側とで引き裂かれている世界などで、暴力噴出のシステムと共に人の偽善や世界の行き詰まりが歯切れよく抉り出されてゆくことに感心しました。2021/09/30

田畑

3
前々から無意識的に考えていたリベラルな言説(例えば巨額の寄付をする慈善家ビル・ゲイツのデジタル資本主義の賛美)の偽善性が明るみになった。資本主義社会は第三世界の人たち、貧しき人たちをルサンチマンに変容させ間接的に主観的暴力を発生させるシステムを内在的に備えているという主張には一理ある。あと他者性に関する考察も興味深い。隣人を愛するよりも恐れる方が現に多い中で、寛容を口にする偽善性、か。2014/02/23

a.k.a.Jay-V

2
暴力とは、これまたストレートなタイトルだ。内容はテロリズム中心でヴァイオレンス(から)の発生する形とでもいいましょうか。トリアーの女性三部作については強引なまとめ方かも。むしろ本書の内容からだとハネケ、とりわけファニーゲームを取り扱った方が適切かも。汝の隣人を恐れよは正にゼノフォビアとして蔓延しているなぁとも。ホメイニのクダリはH.Rのアレの発言を思い出す。宗教にハマるとロクでもない事が分かる。2016/08/15

mittsko

2
相変わらず…おもしろいよね>ジジェク(*'▽') 暴力をめぐる諸問題をきわめて広く、網羅的に論じている 最終章が、ベンヤミンの「神的暴力」の大肯定になっているところが「左派」(自称)としてのジジェクの面目躍如である そして、それがとても説得的なのだ 難解な論旨が展開されている部分は多いが、「エピローグ」が全体をよく要約しており それを理解するべく本論を読む、というアプローチもありだろう ラカン再解釈が全体に筋を与えていることも、導きの糸となるだろう 「偉大なる真っ当さ」…ジジェクにはこの評価が一番合う2016/05/11

 

1
再読。2017/05/06

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