内容説明
味方か、さもなくば敵この論理が無数の惨劇の引き金となった。いまや「対テロ戦争」として世界中に拡大するにいたったイスラームへの迫害。そして、その根底にある排除の力学。中東紛争以前の反ユダヤ主義から現在まで続く暴力の連鎖を、歴史・思想・政治などあらゆる側面から徹底的に解明する画期的著作。
目次
新たな「敵」としてのイスラーム
第1部 ヨーロッパと「地中海」(イスラモフォビアと反セミティズム;中東をめぐる反ユダヤ主義と親ユダヤ主義の共犯;オリエントの「文明化」;「アラブ問題」の発見;「地中海」の分断;ヨーロッパのエルサレム)
第2部 アメリカと日本(ネオ・オリエンタリズムの台頭;戦争を正当化する「中東研究」;「民主化」がもたらした「新世界無秩序」;文明の衝突から文明の共存へ;日本でいかにイスラームを語るか)
著者等紹介
臼杵陽[ウスキアキラ]
1956年生まれ。東京大学大学院国際関係論博士課程単位取得退学。佐賀大学、国立民族学博物館などを経て、日本女子大学文学部史学科教授。京都大学博士。専攻は中東地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脂肪分
1
タイトルの話ほぼなし。2009/12/24
真夏みのり
1
2001年・9・11事件以降に蔓延るイスラモフォビアを反ユダヤ主義まで遡り根本から問い直す本。 「ブッシュ=小泉政権時代に(…)日本の言論界において垂れ流された、中東イスラームに関するネオコン的な(…)議論を饒舌に展開した言論人の付和雷同振りには目に余るものがあり、やはり今からきちんと振りかえって総括されなければならない(…)」と熱い言葉がありますが、その意気込み通りの本だと思う。2011/04/01
抹茶ケーキ
0
イスラエルと反ユダヤ主義の話が多かった。確かに現代の中東問題を理解する上では重要な論点なんだろうけど、このタイトルでその内容を予想する人ってあんまいないんじゃないかと思った。2016/05/16
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