内容説明
そびえ立つアリ塚の塔、高度な機能性をもつ血管や骨、世界を認識する視覚や脳―。意図的にデザインしたかのような精妙さが生まれる理由は、ダーウィンの「自然選択」だけでは説明できない。タブーとされてきた領域へと大胆に踏み込み、まったく新しい進化のメカニズムを提唱する生物学・生理学の最先端。
目次
クレアンテスのディレンマ
ベルナール・マシン
ソックスの楽しみ
血流の大河
自己を知る骨
胚の折り紙
腹で感じ取る
意図的な挿話
光の点
ピグマリオンの贈り物
生物学の輝線
著者等紹介
ターナー,J.スコット[ターナー,J.スコット][Turner,J.Scott]
ニューヨーク州立大学カレッジ・オブ・エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・フォレストリー准教授。生理学専攻。生物と環境の相互作用や、進化のメカニズムの解明に強い関心をもつ
長野敬[ナガノケイ]
河合文化教育研究所主任研究員。自治医科大学名誉教授。生物学・生命論専攻
赤松眞紀[アカマツマキ]
自然科学系の翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
18
#説明歌 遺伝子は「たまたま手元にある材料使っ」た「修理仕事産物」 p.142017/09/03
モート
3
全体の言っていることは分かるが、部分が非常に難しい。。。第三部の中の9章からだ。「哲学的な方向で読者が苛立ちを覚える」と、ターナー氏が想定されているところからだ。その苛立ちが頂点に達するとされている通り、第四段階の最終章「生物学の輝線キセン」で自分はバカだったのではないかと思いだして、楽しくなった。。。論理的に頭を使う時、それが自身にとって難しい時に、頭の皮が突っ張る感じがして、耳を動かしたくなるのが私だか、そうなった。これは小学生の時に進学塾に行った時に初めて起こったことだった。続く 2022/03/19
vonnel_g
3
いろんな生き物に存在する「デザイン」は神の産物なのか?いやいや機能的な目的から発展するんだよ、という本。映画「ブラジル」を使って感染と防御機能の役割を解説する章が面白い。DNAがどうやって変化しつつ転写されていくのかが非常にわかりやすく説明してあって感心してしまった。アリ塚から始まってアリ塚に戻る構成が見事。2017/04/21
takao
2
ふむ2024/02/17
ばん
1
生理学の観点から、ホメオスタシスを基本として、生命体の「設計」の問題に挑戦している。現在より未来を担うベルナール・マシーンと、現在から過去を探るダーウィン・マシーンが共に現在の生命体の肉体の「意図性」を形作っているという説。因みに、東浩紀の『一般意志2.0』で述べられていたシステムと親和性もあると思うし、僕もこういうシステムは非常に同意できていたので、面白かった。2012/05/13