内容説明
ある日、「神」を名のる男が精神科医のもとを訪れた。対峙する両者。思いがけぬ事態の展開に導かれ、徐々に変貌する心の風景。善と悪、信念と寛容、真の救いとは、生きることの意味、そして究極の幸福とは…。
目次
1 ウェイクアップ・コール
2 ある通院患者
3 フラッド・ゲート
4 限界点
5 内なる旅路
6 創造する者
7 過去への扉
8 閃光
9 啓示
10 祈り
著者等紹介
アダムス,マイケル[アダムス,マイケル][Adamse,Michael]
イェール大学大学院で臨床心理学を専攻した後、マイアミ大学で博士号を取得。現在ノヴァ・サウスウェスタン大学助教授として世界各地で講演。米軍予備役の主任医師を務めた。専門は、対人関係を巡る心理学で25年以上の経験を持つ。心理学の幅広い分野のコメンテーターとして過去300回以上テレビ、ラジオのインタビューに応じ、新聞雑誌へも多く寄稿している。全米の作家、芸術家、エンターテイナー、政治家、ジャーナリストをインタビューするNational Public Radioの週刊トークショー番組“On the Couch”のホストを務めた
勝野憲昭[カツノノリアキ]
1941年生まれ。国家公務員として国際業務に従事。国連派遣勤務を経て現在翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mimm
3
精神科医の主人公の元へ、ある日「神」と自称する男性がカウンセリングを申し込む。その「妄想」を治すべく手段を試みる主人公と「神」との10回のセッション。 妄想「神」は本物だったのだけど、どんな奇跡を見せられても頑なに信じない主人公がまたすごい。 とにかく懐でかい神様。内容、すごくいいです。こんな神様なら着いていっちゃうかも。2013/10/19
新地学@児童書病発動中
3
本当に神さまが精神分析医のもとを訪れる話。神さまの姿が浮世離れたした感じではなくて、普通の男性として描かれるのが良い。また神さまが苦しむことにも共感できた。2010/07/22
Momoko Nishikawa
2
キリスト教の神とはこんな感じの方なのかと思った。神が自らに似せて人を作った事に、納得し感謝です。互いに労わりあい、助け合う、自分のやりたいことをする、そんな生き方を推奨されています。善く生きる事が幸福ですね。2017/05/11
pokuta
2
神も重荷を背負っているので鬱になる、というのはなる程と思う。また神は特定の宗教に偏らず、自分を全く信じない者をも受け入れる。神の教えの世界は寛容の世界であり、恐怖は神の教育のツールではない。神の教育のツールは穏やかな説得である、という箇所は非常にいいコメント。それができないので困ったことになっているのだが。基本的に神は何でも可能な存在として書かれているのではなく、ある程度、個人の責任や判断力の協力も必要としている点が新鮮であった。設定は単純なのに内容はかなり深い話。2015/10/05
キシ
1
ストーリーを楽しむ本というよりは神とはどんな存在なのかを考える本という感じ。神とはとか善悪とはとか人間はこういう行為によって高められる…とか宗教的な印象。神の能力には限界がある説が面白い。ゲーブは人々の悲惨な状況を心底悲しんでいた。「神様は乗り越えられない試練は与えない」という話があるけど、それと対立する話だなと思った。2017/04/22