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内容説明
患者Xの謎―。墜落炎上機から救出され、瀕死の男が病院に運び込まれて来た―。「患者X」と名づけられた、昏睡の男が誰かを特定できるものは皆無。ポケットの中の英・仏・米・オランダのコイン、大腿には野獣による傷痕、左手首には錨の刺青と、手掛かりは僅か…。ジョイス、プルースト作品にも比較される、緊張感みなぎるチャペックの実験的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
霜月ざら
8
とても不思議な話。飛行機事故で瀕死の男が病院に運び込まれる。誰なのか証明するものを持たず、顔も名前も意識もない。彼は患者Xと名付けられるのだが本当は何者なのか、嵐の日に飛行機で急いで何処に行く必要があったのか?看護尼僧の夢物語、同じ病院の患者の千里眼、詩人の小説で患者Xの人物像が語られる。患者Xは意識を取り戻すことがないから本当のところはわからない。死さえも恐れない心境とはどんなものだったのか私も気になる。2016/09/09
なおちゃん
2
ミステリーをモチーフにした哲学?意識のない、記憶を失った状態では人は他者に認識されない。人は過去によって作られている。また、物語は想像力によって作られ、想像力を掻き立てるには試練が必要。違うかも。うろ覚え。2024/02/05
ぴーひゃらら
0
自分の人生を他人に憶測されるなんて真っ平。なるべく多くの足跡を残すことが大事なんだと思った。2010/06/27
かみけん
0
チャペックを初めて読んだ。筋建てがフォローしにくかった。ところどころに散りばめられているピースが光る。2022/10/17