内容説明
ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、ビリー・ホリデイ…ジャズエイジを彩った天才たちが、いきいきと語り、歌い、動きだす。ノンフィクションの名手S・ターケルの才気あふれる処女作にして傑作ジャズ評伝。
目次
ジョー・オリヴァー―ザ・キング
ルイ・アームストロング―ジャズ大使
ベッシー・スミス―ブルースの女王
ビックス・バイダーベック―若者はコルネットを手にして
ファッツ・ウォーラー―笑いに包んだ天才
デューク・エリントン―人生を映すサウンド
ベニー・グッドマン―スウィング王
カウント・ベイシー―ジャンプで楽しく
ビリー・ホリデイ―神の恵み
ウディ・ハーマン―ザ・ハードのがんこ者
ディジー・ガレスピー―ニュー・サウンドの探検家
チャーリー・パーカー―ヤードバード伝説
ジョン・コルトレーン―終わりのない探求
ジャズは多くの多くの…
著者等紹介
ターケル,スタッズ[ターケル,スタッズ][Terkel,Studs]
1912年ニューヨーク生まれ、シカゴ育ち。シカゴ大学卒業。シカゴ歴史博物館で研究員を務める。「スタッズ」は通称。専門はアメリカ合衆国の歴史。とくにオーラルヒストリーに関心を持ち、「人種」「仕事(働くということ)」などの大きなテーマのもと、数々のインタヴューを集成・再構成した本を次々と世に送りだし、注目を集める。その1冊、『よい戦争』でピューリツァー賞受賞
諸岡敏行[モロオカトシユキ]
1946年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
17
13人のジャズ・ジャイアントの生涯を短くまとめた歴史小説のような本。ノン・フィクションの分野で名声のある作家だと思っていたら、歴史小説のタッチの本だった。モダン・ジャズの音楽史的評価が定まる前の1957年の著作だったせいか、現代的に言われるジャズ・ジャイアント以前のミュージシャンの話が中心。モダン・ジャズからはマイルスではなく、コルトレーンが選ばれていたり、ビッグ・バンドのリーダーが何名か選ばれていたり、ターケルの好みによるチョイスも目立つ。ジャズの歴史を知るには良い本だけれど、モダン・ジャズ前夜の本。2019/02/16
Decoy
2
一つ一つが短編小説のよう。幸福な音楽人生を送って長寿をまっとうできた人についても、才能に見合った成功を得られないまま早死にした人についても、似たような読後感が残り、味わい深い。2011/05/09
okaka
1
著者はインタビュー中心の硬派なジャーナリストだという思い込みがあったので、こういったやさしい語り口の本も書いていたとは思わなかった。一人一人に割かれたページは短いけれども、その分「音楽によって自由になる」という精神が世代から世代へと受けつがれていく歴史がはっきりと見えてきて感動を禁じ得ない。その様な目で見ると他のターケルの仕事と地続きでつながっている本だと思う。2011/02/04