出版社内容情報
いま宇宙物理学の先端から一般まで広く話題の宇宙論まで、人間原理と輪廻転生観をキーワードに読み解く画期的論理学!なぜパラドクスにひっかかるのか?
内容説明
「私」のいない宇宙はありえたのか。超能力も輪廻も終末もオカルトも、『トリック』も幸福論も多宇宙も。なぜ論理を尽くさないのか?厳密なロジックで誤謬を暴き、「人間原理」で錯覚を正し、観測主体(意識)と宇宙とのあいだを解明する。
目次
この世に生まれることの難しさ/輪廻の必然性
1 超能力と超難問
2 多宇宙と多精子
3 文明の終末
4 皆既日食の原理
5 眠り姫問題
6 輪廻転生
著者等紹介
三浦俊彦[ミウラトシヒコ]
1959年、長野県生まれ。東京大学文学部美学芸術学科卒、同大学院比較文学比較文化専門課程修了。和洋女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
10
様相実在論について書かれた https://bookmeter.com/books/11643870 が面白く、その後書きに「最近 SSA に乗り換えたので詳しくはこの本を」とあったので読んでみた。最後のほうにちょろっとだけ、なぜ様相実在論がダメなのかが言及されてるのだが、まったく説得力がない。輪廻転生を推すための、為にする議論。 最初のほうは面白いんだけど、SSA の帰結として導かれる終末論法の否定のあたりから迷走しはじめる。ホモサピがホモサピのまま、あと1万年生存する事前確率が、そんなに高いわけない→2024/05/20
Arowana
3
超難解で理解できなかったけれど苦労を重ねつつも楽しんで読めたので満足できた。多宇宙説や輪廻転生観が純粋論理として十分に成り立ちうるという主張には頗る知的刺激を受けた。ユーモラスな文体なので読み易かったし、表紙の絵(著者の自作らしい)がなにせ愉悦だった。隠れた名著だと思う。2018/06/30
鴨長石
2
最高級の思考実験という内容で、読み終えて頭がクラクラした。皆既日食が人間原理と関係しているかもしれないなどと想像したこともなかった。唯一やや退屈だと感じた「眠り姫」の話が、最後の章でタイトルにもなっている輪廻転生につながるところで心底ゾクッとした。と同時に自分の連想力のなさに少しがっかりした。本書のロジックについていけたかどうかは微妙だが、少なくとも言えるのは、人類は本書のような内容を書けるほど想像力のある個体を持つ種ということだ。2021/06/20
ニッポニテスは中州へ泳ぐ
2
☆=3/5 ムッズい。永井均の「独在論」を神秘主義的に読んでしまいがちな人への処方箋かな?(私の個別的属性、実在にまつわる性質は<私>とは関係ない) 中でも「眠り姫問題は実はコインを投げるタイミングで主観確率が変わる」という内容に目から鱗。モンティホール問題勉強してからもう一度挑戦したい本。2020/08/19
オクタゴン
1
もっとベイズ主義の入門書的なものを読んでからでないと理解できないんだろうな。2014/08/19