出版社内容情報
前八世紀から前二世紀に至るギリシア美術・文学に見られるギリシア人の性生活について、図版を交えながら詳細に記述。
内容説明
ギリシア古典の権威が、法律から落書までを徹底的に調べ上げ、古代ギリシアの同性愛の謎にせまる。同性愛と異性愛はどのように共存していたのか。道徳の問題、美的感覚の問題、そして同性愛の作法まで克明に描きだす。
目次
第1章 問題点・資料・方法(方針;美術;文献;用語)
第2章 ティマルコス告発(法律;エロスのさまざまな現れ;自然と社会)
第3章 特殊相と展開(秘めざる恋;偏愛と幻想;喜劇における同性愛;哲学における同性愛;女性と同性愛)
第4章 変遷(ドーリス人;神話及び歴史)
著者等紹介
ドーヴァー,K.J.[ドーヴァー,K.J.][Dover,Kenneth James]
1920年英国生まれ。オックスフォド大学卒業。セント・アンドルーズ大学教授を経て、オックスフォド大コーパス・クリスティ・コレッジの学長、ギリシア協会会長、英国古典学会会長、英国学士院院長を歴任。現在セント・アンドルーズ大学名誉総長
中務哲郎[ナカツカサテツオ]
1947年大阪生まれ。京都大学大学院修了。京都大学文学部教授
下田立行[シモダタツユキ]
1950年札幌生まれ、2003年没。京都大学大学院修了。元信州大学文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すがし
2
主にギリシャ古典期の同性愛について、きわめて客観的に、思い入れを配して記述した学術的考察。客観的過ぎて、正直言って素人にはそうとう読むのがキツい。「少年愛が容認されていたからといって少年が念者との行為に耽ることまでが容認されていたわけではない」というのは言われてみれば納得。しかしテーバイの神聖軍のようなシステムもあったのに、ただ「愛を受け入れると蔑まれた」というのはどうにも納得できない。あまりにも中立を目指しすぎて、文章が無目的で散漫なものになってしまっているように思う。2011/08/23
はちくま
1
つねづね、「古代ギリシアも江戸も同性愛天国ではないし、だからといって、そんな事実はなかった!ってなかったことにするのもいただけない」と思っていたので、ドーヴァー先生のスタンスはけっこう尊敬できる。裁判記録などからあぶりだす当時の状況。「時代や場所によって一概には言えない」というのが、確かに真実だと思う。2015/01/14
釈聴音
0
#ニャーゴ 予習用。2016/11/11
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