出版社内容情報
現代ヨーロッパに通じる原型を中世に見出そうとする野心作。鍵となる人物と都市がいきいきと語られる。
内容説明
ヨーロッパ中世は「暗黒」ではなかった。科学と人文精神を生み出した沸き立つ坩堝だった。いまだ異質のままだったユダヤ・キリスト教精神とグレコ・ローマン精神とが、その坩堝の中で混ぜ合わされ、新しい知と、女性への畏敬、そして美の感性が登場する―。都市と人物をたどり、歴史の「秘蹟」を描き出す、斬新・秀逸な中世論。いにしえの中世都市を巡り、偉人たちの活躍や思想をのぞき見る、万華鏡のような都市巡礼物語。
目次
前奏曲 理知の都アレクサンドリア―大いなる合流点
序 世界の十字路ローマ―ローマ人はいかにしてイタリア人になったか
1 閉ざされた園、ビンゲンとシャルトル―聖母信仰
2 愛の宮廷、アキテーヌとアッシジ―愛の追求
間奏曲 外の世界との遭遇―地中海、東洋、大西洋
3 天上のことを学ぶ大学、パリ―理性の称揚
4 地上のことを学ぶ大学、オックスフォード―錬金術師の探求
5 肉の礼拝堂、パドヴァ―画家の実験
6 光のドーム、フィレンツェ―詩人の夢
7 死の都ラヴェンナ―政治家の空虚さ
後奏曲 廃墟への嗜好―ダンテ風の瞑想
著者等紹介
ケイヒル,トマス[ケイヒル,トマス][Cahill,Thomas]
ニューヨーク郊外ブロンクスの生まれ。コロンビア大学、フォーダム大学で学ぶ。ダブルデイ社で編集者をしたのち、執筆活動に入る。現在、第五作目となる「歴史の要シリーズ」を書き続けている。やはり作家である妻とふたりで、ニューヨークとローマの間を行き来して暮らしている
森夏樹[モリナツキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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