出版社内容情報
黒沢清対談集。対談者=青山真治/万田邦敏/高橋洋/相米真二/周防正行/坂本順治・・・
内容説明
ホラーを原点にあらゆる作品を創造し続ける世界的映画作家が映画を、世界を語る。自主映画時代以来の盟友や共作者との語らいから、同時代ライバル作家との丁々発止、異業種の雄との交流、そして夢の師弟対話まで。超豪華メンバーによる血わき肉躍る対談集。
目次
1 盟友たち(歴史としての“情緒”―青山真治×黒沢清;私は絶対に成熟しない―万田邦敏×黒沢清;教科書のない教室から―高橋洋×黒沢清)
2 同時代作家たち(われらライバルどうし―周防正行×黒沢清;『あ、春』と『ニンゲン合格』―相米慎二×黒沢清;日本映画界の鬼才が接近遭遇―阪本順治×三池崇史×黒沢清;ホラーブームとふたりの戦略―手塚真×黒沢清)
3 ジャンルを超えて(『小人の饗宴』をめぐって―唐十郎×黒沢清;『蟲たちの家』をめぐって―楳図かずお×黒沢清;21世紀は黒沢清を見なければわからない―蓮實重彦×黒沢清)
著者等紹介
黒沢清[クロサワキヨシ]
1955年、神戸市生まれ。映画監督。立教大学在学中、蓮實重彦の映画表現論を受講、『SCHOOL DAYS』『しがらみ学園』などの8ミリ映画で注目を浴びる。長谷川和彦、相米慎二らの助監督を経て83年『神田川淫乱戦争』で商業映画デビュー。監督作品に2000年『回路』(カンヌ映画祭批評家連盟賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
11
黒沢さんの朴訥とした語り口がかわいい、と思わず表明したくなる愛らしさ。あの不穏で不合理な映画を作る作家が素朴に会話している様子を頭に浮かべると微笑ましい気持ちになる。万田邦敏との対談が強烈で、けんか腰に抑圧がなければ成熟はないと詰め寄る万田に、僕は成熟を拒否している、成熟なんかしたら面白い映画は撮れないと言い返す黒沢の構図がとにかく面白い。唐十郎、楳図かずおといった多ジャンルの巨匠との会話も興味深いが、高橋洋との映画を教えることのジレンマについての会話が一番熱い。「教育」そのものの矛盾を突いているから。2017/12/31
王天上
3
映画を観はじめたころに観た「スイートホーム」はほんとにつまらなかったが、いろいろ苦労があったんですね。それなりに量を観たので、もう一回観てみようかな。2017/11/24
まさやん80
1
黒沢清監督が10人の人(主に映画監督)と対談した本。中でも、盟友と称される青山信治、万田邦敏、高橋洋との対談では、黒沢さんもリラックスして喋り、彼の本音も垣間見える。黒沢清の映画はかなり特異なポジションにあるが、本人は娯楽映画を目指しているというのが面白い。最後の蓮實重彦との対談では、さすがに蓮實さんの目の付け所が深いと感心。2019/04/21
HENSHUU
0
各映画人との対談で、黒沢さんはじめ、「そういうことを考えながら映画を深めていっているんだな」ということが垣間見れて、非常に興味深いです。が、その中で唐十郎さんとの対談は、唐さんの戯曲のままのシュールな語り口(意味はよくわからないが膨大なイメージが伝わってくる)に圧倒されました。2021/01/21
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