内容説明
医学や心理学のみならず、すべての文化をぬりかえた精神分析の父フロイト。フランスを代表する女性伝記作家が、その生涯と理論を一気に語り下ろす。豊富な写真と個性的な語り口で、フロイトと20世紀に関心あるすべての人に贈る、読んで楽しい入門書。
目次
フロイトのために
不信心なユダヤ人
母たちの扉
愛のドラッグ
アヴィラの聖女テレサと女たちの国
王手―エマの鼻 ドーラの平手打ち
昔々 西で
殺戮の神
ゴッド・ブレス・アメリカ
苦しみの中の光―娘・女・犬
大海原の高まり
空の青は娘の安らぎだ
著者等紹介
クレマン,カトリーヌ[クレマン,カトリーヌ][Cl´ement,Catherine]
哲学者。フランスで最も精神分析に精通した女性の一人とされ、理論書や『ジャック・ラカンの生涯と伝説』(邦訳・青土社)で高い評価を得たあとジャーナリズムに転じ、外務省の文化外交担当としても活躍。現在は『皇妃エリザベート』(創元社)、『テオの旅』(NHK出版)などでベストセラー小説家・伝記作家となる
吉田加南子[ヨシダカナコ]
詩人、学習院大学教授、フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひち
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この本のある部分を読んでいて、むかし、小学校に上がる前に海の彼方に流されそうになったことを思い出した。どうしようもない運命の歯車である浮き輪の上にいる僕を救い出してくれたのは父だ。しかし、僕は本当に救われたのだろうか?本当は、まだ海面を漂ってあるのではないか?つまり、この話はどのようにでも解釈できるということだ。2015/03/05
あくびこきぞう
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独特の語りが読ませる。声の緩急、高低を感じる訳文がよかった。フロイトの人生や理論について少し知っていたほうがより面白いかも。2013/02/17
nekonon
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幻想の中のフロイトを前にして、ある時はシニカルに糾弾し、ある時は褒め称え、またある時は憐れむような、独特の文体で書かれた本。一人芝居を観ているような気持ちになる。テンションの上下する文体に付いて行き難いなあと思う箇所もあったけれど、その語り口がフロイトの人生をよりドラマチックに見せていておもしろい。ただ、フロイト理論とか生涯について、じっくり細かく述べてる本ではないので(特に当時の政治的背景について知らないと、いまいちピンとこないところも)、もうちょっと入門書っぽいのも合わせて読みたいなと思った。2012/12/28
ステビア
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すんませんよくわかんなかったです!私の知識が足りないのか、それとも…。結局十川さんの解説で事足りるような気がするんですが笑 ピーター・ゲイの伝記も読んでみよう。2011/10/16
reca
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切り口が面白かった、自分もいろいろ苦しかったのですね・・・。2009/04/18