縄文の音 (増補新版)

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  • サイズ A5判/ページ数 309,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791763276
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0070

出版社内容情報

99年刊行の増補新版

内容説明

縄文人はどんな音を奏で、その響きにどんな祈りを託したのか?音楽の始源を求めて、世界の民族音楽を訪ね歩いた異能の音楽家が、丹念な資料探査とみずみずしい感性と洞察で解きあかした、縄文音楽のラビリンス。十余年にわたる探求が導きだした驚くべき縄文像。

目次

弥生の音から(古代の音へ;銅鐸演奏 ほか)
縄文の音へ(有孔鍔付土器とは;縄文鼓としての有孔鍔付土器 ほか)
縄文楽器の世界(土鈴;土笛 ほか)
縄文の仮面(縄文仮面の編年;世界の仮面と縄文仮面 ほか)
縄文の歌(歌の世界;セルクナムにみる歌の古層 ほか)

著者等紹介

土取利行[ツチトリトシユキ]
1950年香川県生まれ。音楽家、パーカッショニスト。70年代前衛ジュズの天才ドラマーとして頭角を現し、近藤等則、坂本龍一、阿部薫、ジャズ評論家の間章らと音楽活動を展開する。渡米して伝説のドラマー、ミルフォード・グレイヴスと出会い、音楽の根源的な探求に導かれる。スティーヴ・レイシー、デレク・ベイリーら海外の多くの即興演奏家と共演。70年代よりピーター・ブルック国際劇団で演奏家、音楽監督として「ユピュ王」「鳥のことば」「マハーバーラタ」「テンペスト」「ハムレット」最新作「ティエルノ・ボカール」などを手掛け世界の注目を集めている。一方、音楽の根源を求めてアフリカ、アジアをはじめ、世界各地で民族音楽の調査研究を続ける。87年より桃山晴衣とともに岐阜県郡上八幡に活動の拠点「立光学舎」を設立、地元の人たちとの文化活動にも力を注ぐ。また日本では大野一雄・慶人、田中泯、山田せつ子など舞踏家とのコラボレーションを始め、五木寛之戯曲「蓮如」の音楽制作、呉鼓の打楽器集団で演奏を繰り広げるなど多岐にわたる活動を展開する。縄文鼓はソロコンサートのほか、メキシコの打楽器集団トリブやアイヌの歌手安東ウメ子とのジョイントを行ない、パリのシャトレ劇場でも初の海外コンサートを行った。近年は旧石器時代の音楽研究に向かい、フランスの壁画洞窟での演奏がNHK番組「人類最古・洞窟壁画の謎」で放映された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

兎乃

21
著者の土取氏は70年代前衛ジャズ天才ドラマーとして頭角を現し、坂本龍一氏らと活動を展開、渡米、ピーター・ブルック国際劇団の音楽監督、同時に各国民族音楽調査の実施、立光学舎の設立、仏国壁画洞窟での演奏...。遥か縄文時代の「音」を探求し、実際に楽器を作成し自ら演奏してみせた著者の 膨大で丹念な資料が惜しむことなく記された貴重な書物。考古学や民俗学の諸説学説云々以前に 音楽家として「音」を探求するその姿勢と視座は廣く高く深い。CDも出されており土取氏の「音」を聞くと、今の音楽よりもはるかに未来的と感じる。  2013/03/17

とまる

3
音楽は音を楽しむのとは別に、そこに使われる楽器の成り立ちや歌い演奏する人の姿に 力がある。 死者の再生を祈り女性の血液で彩色された土器。神と地上を繋ぐ動物として世界各地でシャーマニズムと深く結び付く鹿。動物霊と繋がるためには、人の美しい歌でなく 動物の美しい声を模倣しなければならない。そのために鳴き声のオノマトペが非常に発達したアイヌのリムセやウポポ。民俗学の視点とはまた少し違う所からの、音と日本人。2012/06/28

Leonard

1
世界的にも著名なパーカッショニストによる、渾身の縄文音楽論。銅鐸、サヌカイトについで、「縄文鼓」の演奏プロジェクトを実現するに当たって十年かけて縄文について調べているうちに、縄文時代の音への探求心が募り、結局プロジェクト終了後も更に10年の歳月をかけてこの本を書き上げたとのこと。恐るべき探究心と音への情熱が迸った本です。2013/02/04

ちゃちゃまる

1
銅鐸の演奏 から弥生時代、そして奥深い縄文時代の音へ向かうこととなった音楽家が莫大な資料探査と「音楽家としての経験と感覚」によって記した縄文音楽。言葉を持たない民族はいても、音楽を持たない民族はいない、という言葉を思い出しました。性や通過儀礼と密接な関係を持つ楽器たち。アイヌ民族の歌と踊り、動物のオノマトペ。狩猟民セルクナムの音楽との比較。知らないことや考えてもみなかったことが多く、なるほどなるほど、と頷いてばかりでした。三木成夫の学説からみた土偶のカタチの考察も面白かったです。2012/12/27

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