内容説明
ここ20年来、全世界で発生した衝撃的殺人事件一〇三ケースの、犯人の手口と心理をリアルに抉る。事実のみが語り得る戦慄の恐怖。犯罪は、時代の気分を鮮烈に反映する。衝動殺から無差別殺人まで、「殺人の時代」の現代をヴィヴィッドに再現。セックス殺人からテロリズムまで、ありとあらゆる殺人の累計を網羅すると同時に、想像を絶するショッキングな事実をも呈示する。
目次
絞殺
撲殺
刺殺
射殺
ギャング殺人
毒殺
セックス殺人
ホモ殺人
子供殺し
ばらばら殺人
カルト殺人
テロリズム
暗殺
誘拐殺人
大量殺人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
30
近代に起きた殺人事件の羅列。僕は実際に血液を見ると気が遠くなるレベルで血がダメなんだけれどこの手の記事は好きなので友人から借りました。有名無名問わず膨大な量の殺人事件の記録を目にして思うのはやっちまう人間とやらない人間を分かつものは何かということ。ほぼ全ての人間が一度や二度は明確な殺意を抱いたことくらいあるだろうけれど、実際にそこから先に踏み出しちまう場合のファクターは何なのかということ。良くも悪くもこの手の人間を特別視するのはいかんよな。多分誰だろうがやっちまう危険と隣り合わせで生きている。2017/04/11
bookkeeper
23
★★★☆☆ 売却前に再読。無動機と凶暴性が現代の殺人の特徴とした前書きの後、これでもかと列記される殺人者達の肖像。当初は衝撃を受けるも、あまりに淡々と続くので、麻痺してしまう。いつしか退屈すら感じ始めてしまう自分が怖い。それでも犯人や現場の写真は現実ならではの重みがあるのだが。 何故彼らは凶行に走るのかに思いを馳せずにはいられない。それを考えるのが、この本の価値かな。構成で、絞める/殴る/刺すなど手段と、ばらばら/子供殺し/テロなど事件を特徴付ける要素が混在した分類なのが、少し釈然としません。2019/04/20
ほうすう
11
犯罪心理学的なことに興味を持ちとりあえず犯罪の事例でも知ろうと思い手に取った一冊。ただ心理学的な要素はあまり無いようてちょっと望んでいたものとは違ったか。殺人事件の事例がどこまでも淡々と記述されていく。感覚的に言うと「アンビリバボー」のダイジェストでも読んでいるかのよう。しかしまあこういった殺人を行う心理はやはり理解できないなあ…。2019/10/12
mstr_kk
7
必要があって読みました。殺人事件がいちおう分類されていますが、内容は事実の羅列。あまり扇情的には書かれておらず、また、掘り下げられてもいません。ずっと読んでいると、頭がちょっと変になっていく感じがあります。一番興味深かったのはコリン・ウィルソンによるまえがきで、ここにはそれなりの洞察もありました。ウィルソンによると、異常な事件の増加は、ストレスのせい。そしてそのストレスは、ルソーに始まる「自由」の思想やマルクスの影響のために生まれているというのです。そのあまりの単純化に感銘は受けましたが、同意はしません。2016/05/05
deyan
4
まえがきだけ読むのもアリな本だと思います。60年代中頃から増え始めた動機のない殺人、文化レベルが向上し能動的になった現代人。このまえがきの目的は、曖昧な反権力主義が社会の鬱屈感の震源地であること、これが本書に登場する多くの殺人犯を生みだす暴力の風土となったことの指摘である、とある通り筆者独特の魔術的思考という概念でこれが説明されています。とても面白かったです。本文は資料的な内容はともかく、読みづらい文章でした。2012/02/02