スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791761098
  • NDC分類 780.4
  • Cコード C1010

内容説明

誘惑と煽動と挑発に満ちて、しかしこれぞまったき正論、愛とともに、快刀乱麻を断つがごとく炸裂する、初のスポーツ批評論集。

目次

1 スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護に向けて
2 ワールドカップ狂想曲(サッカー・プロレタリアート宣言!―渡部直己との対話1;「たかがサッカーごとき」にこれほどの熱量を給備させるものは何か―渡部直己との対話2)
3 この人を見よ(デイヴ・ジョンソンは美しかった;私は長嶋さんのやることならほとんど予言できます ほか)
4 ベースボールに向けて(ベースボールの考古学的な恍惚;プロ野球に向けて書かれていない/いる書物 ほか)
5 運動の擁護のための正論(またやってしまいました―オリヴァー・カーンの失態とパリュウカの救い;あえていまこそ正論を―渡部直己との対話3)

著者等紹介

蓮実重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年生まれ、映画評論家。60年東京大学文学部仏文学科卒業、65年パリ大学文学人文学部から博士号を取得。東京大学教養学部教授を経て、93年から95年まで教養学部長、95年から97年まで副学長を歴任し、97年4月から2001年3月まで東京大学26代総長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

10
運動の歓びを、「ルール」という抑圧からはみ出す動物性に見出す。逆に、運動を見出すためには「ルール」の枠が必要なのであって、形式主義者としての蓮實が顔を出す。全体的に言っていることにことごとく納得する一歩、渡部直己との対談が顰蹙を買ったのはわかる。対談と書き言葉では同じ主張をしていても印象の質が変わる。蓮實の言葉は根本はスポーツに向かっていて、映画論もスポーツ論の反映であり、「物語批判」もスポーツの物語化に抗する言説ではないかと思ったりする。2025/01/06

きぬりん

1
スポーツには美しい運動、すなわち「潜在的なものが顕在化する一瞬」が顕現する。それは、「不意に文化を蹂躙する野蛮なパフォーマンスを演じる」だけの知性と、「それを周囲に組織する能力」としての想像力を兼ね備えるとともに、「天から愛された」競技者のみが実現可能な「嘘としか思えない驚きの瞬間」である。スポーツ批評の役割は「その運動をひたすら擁護すること」、運動をまさに運動として的確な言葉で捉えることにあり、勝ち負けや記録やメロドラマばかりに拘泥する日本のスポーツメディアやその愛読者は、実はスポーツ嫌いであるのだと。2025/08/20

しょうた

1
成田さんオススメ本36冊に記載されていたので読んでみた。東大総長も歴任された人が書かれた本だが、考え方や意見を述べられた箇所の読み取りが難しかった。ところどころ自信をもって書かれていることに対して??と思うことがあった。中田英寿は1.2流で中村俊輔は2流やイタリア代表はアメリカ代表よりも弱い→間もなく2006年ワールドカップで優勝等。頭の賢い人ってこんな感じなのか? また、2002年ワールドカップでグループ予選で敗退したフランスやアルゼンチンと一緒にスペインも上げられていた間違いは残念だった。2025/05/23

たろーたん

1
好きな言葉。「野球は極めて人工的なスポーツでサッカーなどは動物的」「野球ゅはプレーしている時間が非常に少なく、後はほとんど死んだ時間である。逆にサッカーは全く死んだ時間がない」「人々はベースボールよりも「読売巨人軍」を愛している。その愛を、ベースボールに対する愛と勘違いしている」「個々の選手の好き嫌いは野球じゃない。選手と選手との間に広がっている関係こそが野球の醍醐味である」「野球の美しさは結果ではなくその過程にある」2021/06/26

ニールキャサディ

1
久しぶりに読んだが、ヤンキースとレッドソックスの乱闘でドンジマーをマルチネスがうっちゃった場面を思い出し、愉快な気分になった。蓮實重彦が運動や躍動を好きなのが、よく分かる文章。2019/08/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/506463
  • ご注意事項

最近チェックした商品