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廃墟論

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  • サイズ B6判/ページ数 383,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791760800
  • NDC分類 702
  • Cコード C1020

内容説明

荒れはてたローマのコロセウム、十八世紀西欧を席巻した「ピクチュアレスク」・模造廃墟・人工廃墟、「アッシャー家の崩壊」、廃墟の博物館、そして核がもたらす黙示録的廃墟まで。古今の芸術家・文学者は、廃墟からいかに多くのインスピレーションをさずかってきたか。

目次

1 だれがデイジー・ミラーを殺したのか
2 つむじ曲がりの楽しみ
3 忘れられない廃家
4 傘も差さずにエフェソスで
5 模範とすべきはかなさ
6 時の難破船
7 大まじめに作られた模造廃墟
8 廃墟となった自画像
9 オジマンディアス・コンプレックス
10 宙に浮遊する埃
11 小説家、漁師、そして公爵

著者等紹介

ウッドワード,クリストファー[ウッドワード,クリストファー][Woodward,Christopher]
ケンブリッジ大学で美術史を学ぶ。現在、イングランドのエーヴォン州バース市にあるホーバン美術館のディレクター。美術史家。専門は建築。廃墟への関心は、ロンドンのジョン・ソウン卿ミュージアムで学芸員をしていた頃にはじまる。夫人とともにバース市に在住

森夏樹[モリナツキ]
翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

伊野

4
廃墟、それは人命の儚さを想起させる歴史上の遺物であり、また、芸術家のイマジネーションの媒体でもある。読解の過程で鍵となるのが「ピクチャレスク」という言葉である。「絵画のような」という意味から転じて、額縁を境にその内部と外部が相関の関係にあるような、風景に対する意識の変革をもたらしたこの考え方は、その後、英国の造園の様式と結びつきひとつの美の基準となった。この辺りは英国の牧師でもあるギルピンが詳しく定義づけている。どことなく日本の侘び寂びと感じが似ているという印象を受けた。2013/06/09

takao

3
☆廃墟という響きになぜ心惹かれるのか2023/07/20

Majiska

3
散文のようになめらかに読むことができました。タイトルは原題の方が内容の持つ雰囲気にふさわしいと思います。廃墟とはなにか、人間はそれに何を見出してきたのか、それはどんな作用をもたらすのか…といったことに関して、芸術分野への投影から考察し、論じています。 鮮やかな色彩が連なるキリムのような印象の本です。章ごとに独立したテーマを持ちながらも適切に配置されているため、それぞれがお互いの色彩を高めあっています。時折挿入されるプライベートなエピソードも好感が持てる形で、とても効果的に作用していると思いました。2014/06/11

nitti

0
現代人の感覚とからすると遺跡、遺構について様々なエピソードを交えて角度を変え切り込んでいくエッセイのような、散文のようなジャンル分けの難しい本。 西洋の知識階級のベースとなる教養ジャンルがちょっと見えた気がする。 ローマの遺跡を切り崩し焼いて石灰を作っていただなんて衝撃だ!2021/04/10

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