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内容説明
グローバリズムやリベラリズムの猛威が切迫する中、ラディカリストは反資本主義という火急の政治的課題を理論化できるか。ヘーゲル、ハイデガー、アルチュセールらの主体論を緻密に走査し、資本主義の搾取においてデカルト的主体は無罪と論駁する。加速する資本のダイナミズムに抗し、文化総体を再審に付すジジェクの雄勁な論理。
目次
西洋のアカデミズムに亡霊が…
第1部 「世界の闇夜」(超越論的想像力の行きづまり―カントを読むハイデガー;ヘーゲル的主体、この厄介なもの)
第2部 引き裂かれた普遍性(真理のポリティクス―聖パウロを読むバディウ;ポリティクスの主体的な前景化、それが迎える結末)
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ][Zizek,Slavoj]
スロヴェニアのリュブリアナ大学教授。ラカン派マルクス主義者として、その多彩な活動は世界の思想界で注目を浴びている
鈴木俊弘[スズキトシヒロ]
1972年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程在籍。フィンランド学、フィンランド近代史、移民史専攻
増田久美子[マスダクミコ]
1971年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程中退。駿河台大学現代文化学部助教授。米文学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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またの名
10
21世紀間近にまさかのコギトの主体擁護。世界の闇夜という狂気を描き出す超越論的想像力と悟性の否定的暴力をパラレルに論じ、その想像力を論じ切れなかったハイデガーのナチ関与にファシズムを超える革命の可能性を見定め、ヘーゲルの具体的普遍と無限判断を読み替えることでバディウもバリバールもランシエールもラクラウも俎上に載せ、リベラルの行き詰まりに対する代替案を模索。左翼さえもが一瞬惚れ直しちゃうポピュリスト右翼や「外人ぶん殴んのはスゲエェ気持ちいい」と享楽する人種主義にも斬り込む大著は、1999年刊という先見ぶり。2015/02/03
madofrapunzel
0
★★★★★ ヘーゲル論、バディウのキリスト教解釈。ヘーゲルが新しい理論に超え出ている。特に主体論は、よく読めばその中心は空虚であるというテーゼの論証がみごと。2012/11/17
0
再読。バディウ批判が結局、「要するにお前ら権力取る気ないんでしょ?」て身も蓋もなすぎだろう。2023/09/12