内容説明
音と音楽の価値観を根底からくつがえし、多大な影響を与えつづける稀有な音楽家ケージ。作品と作曲法のたびかさなる変遷・更新を的確にたどり、ケージ音楽の核心を透視する最良の手引き。作品リスト収録。
目次
1 半音階システムの探究
2 リズム組織
3 沈黙へ
4 作曲を超えて
5 音楽を超えて(五線譜への回帰)
著者等紹介
グリフィス,ポール[グリフィス,ポール][Griffiths,Paul]
1947年生まれ。オックスフォード大学卒業。英語圏を代表する音楽評論家。“The Times”紙の首席音楽批評家などをへて、現在は“The New York Times”紙の音楽批評を担当。小説作品も手がけ好評を博する。著書:ジェルジ・リゲティ論、ストラヴィンスキー論、ブーレーズ論、メシアン論など多数
堀内宏公[ホリウチヒロマサ]
1965年東京生まれ。法政大学文学部哲学科卒業。レコード会社勤務、雑誌・書籍編集に携わるかたわら、音楽批評・評論・翻訳を手がける
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感想・レビュー
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がっち
3
有名な4分33秒もそうだが、こんだけぶっとんだ音楽家はすごい。もはや音楽というか哲学である。この本の内容は私にとってとても難解なものであった。しかしこの本を読んで、人間の全ての感覚に訴えかけようとする彼の音楽は見習うものがあると思う。ただ演奏不可な楽譜はご勘弁を。D 2010/06/09
Peachman
0
ものを見る視点を変えると、豊かな側面が見えてくる事があると思う。音楽だと聴き方を変える、という事になるけど、ジョンケージは音のいいところを探すのがうまかったんだろうな、と思います。多分、音だけじゃなく他のものに対してもうまかったんだろうな。音楽の理論を知らなくても、芸術に興味がある人ならば、人生を豊かにしてくれる1冊。2009/01/01