内容説明
アン・モロー・リンドバーグは、本書の著者の母であると同時に、彼女の著作を深く愛し、自立と内省の豊かな「個独」を学んだ世界中の読者たちの、偉大なる「母」ともいえるだろう。その「母」の最期の日々を描いたこの作品は、人生の午後を生きる人、そして愛するひとの最期の時空に寄り添うすべての人々への、もうひとつの贈りものになる。
目次
1999年夏
1999年9月
1999年10月
1999年11月
1999年12月‐2000年1月
2000年3月
2000年6月
2000年7月
2000年8月
2000年11月
2000年12月
2001年1月
2001年2月
著者等紹介
リンドバーグ,リーヴ[リンドバーグ,リーヴ][Lindbergh,Reeve]
初の大西洋無着陸横断飛行に成功したリンドバーグの末娘。現在、米国ヴァーモント州在住
桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙新潮部
66
母からの贈り物は第一に遺伝的要素ですが、自分の人生を振り返ってみて母から受けた影響、整えてくれた生活環境などそれら全てが私を形作る基になっています。本著は衰えた母の晩年を共に過ごした娘による記録です。死と向き合いながら静謐な時が流れています。2023/06/30
lorca
2
まるで魂のぬげがらになってしまったかのような死に至るまでの様子は読んでいて哀しい気持ちにさせられた。2001年2月7日、94歳で亡くなったリンドバーグ夫人。まさにドラマチックな人生を疾走したからこそ言葉を失い自分自身と過去を静かに見つめながらの死だったのか。母親と娘との関係についても考えさせられた。2011/07/19
ことり
1
言葉を紡ぐ人であった母が言葉を紡がなくなった。母の言葉で育った娘のとまどい、途方にくれる日々を綴った一冊。海からの贈り物で母とは、妻とは、1人の人とはと言葉を紡いだ母は沈黙する。困惑する娘と時々紡がれる母の言葉。静かな時間が流れていた。2025/03/29
lorca
0
「海からの贈り物」の作者でもあり、単独無着陸大西洋横断を成し得たチャールズ・リンドバーグ夫人として、そして彼らの長男がわずか20ヶ月で誘拐され殺害された哀しい過去を持つ母としてのイメージが先行しているリンドバーグ夫人・その末娘がリンドバーグ夫人を看取るまでの期間を描いたノンフィクション。所どころにリンドバーグ夫人の詩が挿入されているがその感性、文学的才能に心惹かれる。素晴らしい言葉をたくさん残したにもかかわらずリンドバーグ夫人は言葉を失ったかのうような老婆になってしまう。物理的にはそこに存在するのにまるで