ソドムの百二十日 (新版)

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  • サイズ A5判/ページ数 452p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784791759743
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

男色、小児愛、老人愛、近親相姦、獣姦、屍体愛、スカトロジー、嗜虐、フェティシスムと、強靱な構想力によって、人間の深層にひそむ性の異常を描きつくしたサド文学の代表作。ロマン主義の先駆、フロイト及びシュルレアリスムの祖として位置づけられるサドの形而上学の原点となった大作の完全翻訳。

著者等紹介

マルキ・ド・サド[マルキドサド][Donatien‐Alphonse‐Francois de Sade]
1740‐1814、通称マルキ・ド・サド(サド候爵)。放蕩と筆禍のため74年の生涯の内27年の幽囚生活を送り、処女作『ソドムの百二十日』を初め『美徳の不幸』『悪徳の栄え』『閨房の哲学』などの著作ほとんどを獄中にて完成させる。サディズムの由来とされるなど、長く不当に誤解されてきたが、性本能に対する鋭い考察を通じて人間の自由の問題を徹底的に追求した思索と作品は、今世紀に入りアポリネールによって名誉を回復、シュルレアリスト達、実存主義者達の、人間の失われた全体性を追求する文学的思想的営為と共振し、甦った

佐藤晴夫[サトウハルオ]
1921年北海道生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。法務省矯正研修所長、東洋大学教授を経て、現在常盤大学兼任教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

刳森伸一

8
サドの最初の本格的な小説。汚職などで莫大な財産を手に入れた4人の悪党が美少年や美少女を拉致して古城に閉じ込めて、4人の遣り手婆の話を聞きながら悪徳の限りを尽くす。4部構成の構想だったが、完成したのは第1部だけで他は構想のメモに留まる。キリスト教的な美徳と悪徳とを倒錯させることで、社会に潜む欺瞞を露わにする手法は分かるものの、とにかく表現がどぎつくて、読んでいてどんどん辛くなる。スカトロジーに満ちた第1部も辛いが、特に第4部の拷問の記述が構想メモですら目を背けたくなるもので、未完で良かったと心底思った。2021/01/22

吉岡

8
[哲学者聖侯爵] 結論は、聖侯爵の哲学は「自然は悪徳を推奨している」 そして彼が唯一感じる快楽は悪徳を犯すときである。 そうであるならば、性的倒錯の視点から心理学の参考に彼を利用する点は推奨できない。 そして彼の最も偉大な功績はロマン主義黎明期以前に後の作家、詩人、画家、あらゆる芸術家に偉大な遺産を残したこと。2014/10/13

CCC

6
うんことおならへの執着がなあ……。なんというか想像と違って汚かった。陰惨さよりもそっちが先にくる。あと単調。まあ、わずかにせよ変なロマン成分を期待した自分が馬鹿だったのだが。2020/12/10

Aleixo

6
醜悪な性的倒錯を網羅したカタログといった感じ。一気に読んでも気分が悪くなるし、かといって少しずつじっくりと読み進めていってもそれはそれで気持ち悪いし……全く疲れてしまった。2016/09/11

タキタカンセイ

5
サド侯爵は牢獄の中インクの替わりに自分の排泄物で書いたという話しを聞いたことがあって、表現への執念を感じたんだけどひょっとしてただのうんこ好きだったのかもと思わされるくらいうんこが出てくる。サド侯爵は本当は「サディスト」ではなかったのではないか。あらゆるフェティシズムの百科事典のよう。まるでアダルトサイトのインデックスみたい。それにしても人間の想像力というのは凄い。読み終えて、あの悪魔の舘から脱出できたような安堵感を感じました。次は普通の本が読みたい…2021/06/29

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