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ナチスと動物―ペット・スケープゴート・ホロコースト

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  • サイズ B6判/ページ数 287,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791759590
  • NDC分類 480.79
  • Cコード C1010

内容説明

狼は○、しかし豚は×。生き物を偏愛し、ペット愛玩から屠殺法まで、詳細を極めたナチスの動物愛護の仕方。その生命観が、なぜ極端な人種差別と死の強制収容所へと走らせたのか。「血と大地」というヒトラーの純血主義の陥穽を、動物という身近な視点から大胆に解明―。

目次

第1部 動物と国家社会主義の知的起源(捕食獣と餌;ロマンチックな恐怖)
第2部 ナチス・ドイツにおける動物のシンボル(祖父類人猿;子羊の血 ほか)
第3部 扱い方、理論、研究(謎の技術官僚組織;動物、自然、法律 ほか)
第4部 犠牲と死(屠殺;生贄 ほか)

著者等紹介

サックス,ボリア[サックス,ボリア][Sax,Boria]
1949年、ニューヨーク生まれ。シカゴ大学哲学科を卒業後、ニューヨーク州立大学にて歴史・ドイツ文化研究で博士号を取得。以後、アムネスティ・インターナショナル、ヘルシンキ・ウォッチ、インターナショナル・リーグ等の人権組織の顧問。環境保護のNPOの設立者でもある

関口篤[セキグチアツシ]
英文学者・詩人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

owlsoul

5
ナチスの優生学的な思想は、人間という存在を遺伝子に左右される「生物」として捉える。生物という大きな枠の中で人間と動物の境は曖昧となり、代わりに遺伝子的差異としての「種」という新たな境が生まれた。優秀な遺伝子と劣等な遺伝子。本来であれば自然淘汰によって劣等な遺伝子は排除され、生物は進化する。しかし、文明の発達によって人間に対する自然淘汰の力は極限まで弱まってしまった。ナチスはその排除の力を自ら担うべく、(彼らにとって)劣等なものを虐殺しはじめる。「動物」というキーワードをもとに、ナチスの狂気を読み解く。 2020/11/14

takao

3
ふむ2023/03/09

山像

3
・ノーベル賞受賞学者コンラート・ローレンツの反ユダヤ主義正当化を試みる疑似科学理論 ・ナチス幹部の菜食主義は自然との一体性を根拠にするスピリチュアルな立場っぽい ・ナチスの動物保護法は、その存在の大いなる連鎖的な背景思想はともかく、条文レヴェルでは非常に進歩的で1972年に一部規制が緩和されるまで存続した という具合で各論は非常に面白いんですが、旧約聖書から社会科学理論まで膨大な点数の引用から成る文章が全体としては何を言っているのか何となくしか理解できない、といういかにも哲学者の文章という感じだった。2015/07/18

okaka

2
進化論による動物と人間との境界の曖昧化、文明によるヒトの家畜化からの解放、自らを「狼」になぞらえた暴力の正当化と、恣意的ながらもナチズムが自然哲学からの影響を強く受けていたという所が興味深し。動物愛護を謳いながらもペットを飼う行為をブルジョア的堕落とする一見矛盾した考えも、「理想化された野生」を是とする思想ゆえであったという話がなんとも象徴的で記憶に残る。2013/03/26

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