内容説明
豪奢な妓楼が軒をならべ、妓女たちが美しさを競い、煌びやかな才子佳人のエピソードと絢爛たる文化を育んだ南京の色町、秦淮。中国の文人はもちろん、谷崎や芥川をも魅了してやまなかった東洋随一の歓楽街を、膨大な資料と図版で現代によみがえらせる。
目次
日本文学の中の秦淮
土地の記憶―秦淮の前史
秦淮遊里の成立とその盛衰
秦淮散策
旧院妓楼一瞥
妓楼の人々
妓楼の遊び
秦淮の四季と習俗
妓女のコンテストと番付
秦淮名妓・遊客列伝
秦淮の文学
著者等紹介
大木康[オオキヤスシ]
1959年横浜生まれ。専門は、中国文学。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。広島大学文学部助教授などを経て、現在東京大学文学部助教授・同東洋文化研究所助教授
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感想・レビュー
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めぐみこ
0
色街と書店街が共生してたのにびっくり。しかし読んでいくとなるほどな…と思う。サブタイトル通り近世末にスポットを当てた書なので、もっと前、たとえば隋唐時代についてなども知りたくなった。2010/11/21
貴船綏子
0
前半は地理的な背景、後半に具体的な妓楼内の話と関連する文学作品の解説がされる。土地勘がないので、文中に出てくる地名が入った地図を巻頭に付けて欲しかった。全体を通じて、美しい文学的な遊郭像の描写が続き、生々しさや悲惨さの描写は全くない。絶対、こんな美しい世界だけじゃないだろ⁈って思うけど。男性の世界なので、女の自分が読むと浮世離れ描写とその美しさにも非常にアウェー感を感じた。2019/02/19
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