内容説明
近代芸術の論理そのものを作品の主題へと転換したデュシャンの「レディメイド」。カント、フーコーの思想を鍵に、そのラジカルな芸術的実践の偉業を鮮やかに読み解き、“近代”の意味を根底から問い返す。
目次
1 芸術はかつて固有名であった
2 デュシャン以後のカント/デュシャンによるカント(パラドックス;パラダイム;寓話)
3 何でもいい何かを為せ
著者等紹介
ド・デューヴ,ティエリー[ドデューヴ,ティエリー][De Duve,Thierry]
1944年、ベルギー生まれ。美学、近代美術史。ブリュッセルで美学と記号学を教えた後、オタワ大学美学、近代美術史教授、パリ市立美術学校校長を歴任
松浦寿夫[マツウラヒサオ]
1954年生まれ。西洋近代絵画史。現在、東京外国語大学助教授
松岡新一郎[マツオカシンイチロウ]
1964年生まれ。美術史、表象文化論。立教大学ランゲージ・センター講師
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感想・レビュー
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またの名
5
「宇宙は内破的で破滅的、反=ラプラス的なものであろう。しかしエンゲルスが反=デューリングと語るのとは違った仕方で、人々が反=物質と語るような意味で反=ラプラス的である。つまり二元的だが弁証法的ではなく、この宇宙の端緒は未知のものだが、その最終状態を手に入れ、それが我々の背後にありさえすれば、事後的な規定は確実である」などというポスモダの最悪の面を凝縮したような表題の論文が成功したパロディなのかは不明。芸術がデュシャンの後、芸術の定義を巡る悪循環と任意の何かの提示を要求する命法を問題化させている状況は納得。2014/09/12
maki
0
まだ『芸術はかつて固有名であった』しか読めていないのだけれどユニークなとっかかり。次章は難解そうだから時間ができたら読む。2010/01/25
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