内容説明
意識はあくまで自然界を構成する要素である。それでも意識が“神秘”として映るのは、その本質が私たちの認知の構造から外れているからである―。意識論/心身問題をめぐる従来の諸説・難問をあざやかに整理し、意識を解き明かすための新しい思考概念とその条件を究明する。
目次
1 意識―いまだ解明されざるもの
2 自然の神秘と片寄った心
3 神、霊魂、平行宇宙
4 心の空間
5 自己にまつわる秘密
6 ロボットは憂うつを身につけられるか
7 哲学の耐えられない重さ
著者等紹介
マッギン,コリン[マッギン,コリン][McGinn,Colin]
1950年イギリス生まれ。ラトガース大学哲学教授。独自の「コグニティブ・クロージャー」説を唱え、分析哲学、心の哲学の領域で注目を集める重鎮
石川幹人[イシカワマサト]
1959年生まれ。東京工業大学理学部卒業。同大学院総合理工学研究科、松下電器産業(株)東京研究所、(財)新世代コンピュータ技術開発機構を経て、現在、明治大学文学部助教授。博士(工学)。専攻、知能情報学、生物物理学、科学論
五十嵐靖博[イガラシヤスヒロ]
1966年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修卒業、同大学院文学研究科心理学専攻博士課程単位取得。同大学教育学部助手を経て、現在、山野美容専門学校専任講師、早稲田大学文学部非常勤講師。専攻、学習心理学、理論心理学
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感想・レビュー
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ヘンリー八世が馬上試合で死んだことは内緒
1
意識の神秘は解明できない、なぜならば、人間の認知的な限界があるからである。人間は認知的に適合した問題を『科学』に、適合していない問題を『哲学』に分類した。そのため科学は発展するが哲学は発展しない。意識の神秘を解明するには、認知の方法が違う遺伝子改造をしたポストヒューマンを創るしかない。SFも書いているという著者らしく、かなりとっぴな哲学書だ。なお、デネットからは『問題が理解できるのに答えることができない』という認知的閉鎖の例は動物界に見当たらないという点で反論が出ているそうだ。2014/11/27
bossa19
0
ひどい内容。科学的な論法としてはぜんぜん成り立ってないと思う。しっかりとした土台の上に立脚していない。前提から理解できない。文系人が科学を考えるとこうなるのか?実際は科学っぽく書いた哲学書だろう。2003/07/30
雨野
0
ななめ読み。4章以降は戯言に見える。人間の認知的な限界によって到達しえない知識がある、という考え方はおおむね同意。ただ、到達できないのにあるといえるのはなぜか、方法論の限界はないのかなどは気になるところ。精読したい。2013/08/07