レゲエ・トレイン―ディアスポラの響き

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791758289
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0073

内容説明

“反抗”“楽天的”“ピース&ラヴ”といったレゲエのイメージの向こうには、帰属と離脱に引き裂かれた二重意識がある。この音楽を生んだジャマイカの文化政治に夥しい“よじれ”を読みとく、本格的レゲエ/ラスタ/ラガマフィン論。

目次

1 世界地図にジャマイカ島を置く
2 言葉の人びとの狡知
3 跳躍する夢、越境する夢
4 真正さの政治
5 引き直され続ける境界
6 新たな共同性にむけて

著者等紹介

鈴木慎一郎[スズキシンイチロウ]
専攻は文化人類学、カリブ海文化論。1991~94年西インド大学モナ校(ジャマイカ)に留学。’96年立教大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現職は信州大学人文学部助教授。共著に『<複数文化>のために―ポストコロニアリズムとクレオール性の現在』など。共訳に『ブラック・ディアスポラ―世界の黒人がつくる歴史・社会・文化』
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gorgeanalogue

8
再読。レゲエを核にしたジャマイカ文化論。レゲエの歌詞を論じた「悪態考」、マーカス・ガーヴェイが出版と船舶事業を行っていたことを指摘する「ガーヴェイの船と正装」とジャメイカ・キンケイドを論じた「奴隷の子孫の高貴さについて」以外は正直あんまり面白くなかった。クリケット論などいくつか飛ばしてしまった。レゲエそのものについてはやや食い足りない。従来のディアスポラ論を踏み外そうとする、「あとがき」が一番よかった。2021/07/25

lionleef

1
キンケイト【小さな場所】より。大都市の群衆の一人に過ぎないあなたは、自分は孤独だとか、自分がここでこうしてるのは何か間違っているとかいう感じが時々襲ってくる。そんなありがちで陳腐な悩みを持つような凡庸な人間には、それだけでもう『自分の中を深く覗き込んで自分を立ち直らせるだけの力はない』2013/12/10

moti moti

0
多分15年以上振りに再読する。文化人類学者らしく、良し悪しや正義といったものは示してはいない。最終章、中流階級の知識人が勝手にジャマイカ人をアイデンティティの獲得が困難な存在としていることに対する、ネトルフォード等からの反論は痛快。この反論を単なるカルスタ的ロマン主義としてのみ捉えて批判することに対して、著者は懸念を示している。勿論、著者は階級による分断を煽る意図は全くない。むしろ中流知識人が「関係」だとかを主張する時、そこには例えばダンスホール愛好者は想定されているのだろうかなどと思った。2024/02/15

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