内容説明
水圧と潜水病の困難をはねのけ、体力と知力を総動員し、海中・海底の未知の神秘世界に挑んだ男たち。海洋考古学からマリン・スポーツまで、ダイビングの技術と醍醐味を切り拓いたダイバーたちの勇気と情熱のドキュメント。
目次
伝統的潜水(実直な潜水者―ジョン・ガイ・ギルパトリック)
服装は略式、バケツ持参のこと(身につけるのは「手斧」だけ―アンリ・M.エドワーズ;いつも寸前で止まる男―ロイ・ウォルド・マイナー ほか)
考える人と潜る人(放心の教授―ジョン・スコット・ホールデン;恐怖の実験部屋―J.B.S.ホールデンほか)
暗闇の中のスナップショット(養殖真珠―ルイ・M=A.ブータン;海底の驚異の管―ジョン・アーネスト・ウィリアムソン ほか)
過去への沈下(沈黙のパートナー―フレデリック・デュマ;沈没船の発見者―ピーター・スロックモートン)
著者等紹介
ノートン,トレヴァー[Norton,Trevor]
リヴァプール大学海洋生物学教授。マン島ポート・エリン海洋研究所ディレクター。科学的ダイビングの権威
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウクレレまさあき
1
近所の図書館入口の「ご自由にお持ちください」にあった本。一応、オープンウォーターダイバーなので読んでみた。 ダイビングに係わる強者たちのオムニバス。学者や冒険家の探求心に任せた無茶が続く。生命の危険を顧みず、鼓膜、肺の犠牲をもいとわない行動に驚く。 昔習った「レクリエーションダイブプラナー」(PADIで使用)は、多くの危険と引き換えに出来たものだった。危険に馴れてエスカレートする様は共通していて、海底の魔力なのか、性なのか。 海底の魅力って言うより、先駆者の豪快なエピソードにちょっとワクワクする本です。2021/11/10
鬼束
1
率直に言えば中々退屈な本だった。海に蠱惑され、己の命すら顧ず、無謀な冒険を行った先人達の挑戦の上に、現代におけるダイビングや海底探索、水中写真などの技術が確立されたことは想像に難くはない。しかし、本書を読んで思うに、この先人達はある種の狂人である。深海の高水圧下における人体の状態を調べる為に実験室で鼓膜が破れ鼻血を垂らし意識を失うまで体を酷使した学者など、その最たる例に思われる。このような先人達の業績的なことがつらつら述べられている。狂人は世界を変えるんだなと思った次第。2013/09/12
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- 和書
- 熟れた果実 徳間文庫