内容説明
ある時は宗教儀礼者、ある時は売春婦―インド社会の中でもその存在が秘密に包まれていた両性具有のアウトカースト=ヒジュラ。その証言に耳を澄まし、比較人類学、フェミニズム理論を駆使して探る第三のジェンダーの可能性。
目次
第1章 インド社会でのヒジュラの役割
第2章 男でも女でもないヒジュラ
第3章 ヒジュラの去勢儀式
第4章 社会組織と経済適合
第5章 カムラデヴィ―ある売春婦
第6章 ミーラ―新しいグル
第7章 スシラ―名声を博して
第8章 サリマ―追放されたヒジュラ
第9章 ヒジュラたちの生き方について
第10章 異文化の視点におけるヒジュラ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナナシ
2
この登場人物達が皆殴られ過ぎている事に驚いた。肋骨が折れたとか、医者に掛かって入院したとかその程度は甚だしい。ヒジュラと言う、一種独特の存在としてそういった処遇なのかとも思ったが、嫉妬から来る暴力は愛情が溢れていて良い証だとか、そうでなくとも文中のエピソードにデート相手の女の子を殴れと命令されたとか、寡婦が夫の死後火に飛び込んで自殺する話もあるしそういう文化なのだなと。手が出るのは愛の証、愛さえあれば何でもありよ!という考え方は私には受け入れられないなと思った。2012/01/27
おたきたお
0
ヒジュラへのインタビューは情報として有用(他は論拠に乏しい)。ヒジュラのような「第三のジェンダー」のパートナーとなる男性は社会的に区別されない、という点は世界共通らしい。タヒチのマフ(mahu)の存在は、男女のジェンダーの対比となり、ジェンダー意識の希薄な社会でジェンダー強化に働くという。『大江戸観光』で記された「女形の男娼」もその一例か。ヒジュラがインド的なのは単にカーストに含まれることだけかもしれない。近代国家制度確立による人口増加と軍備増強に比例してホモセクシャルの異端視が強くなったということか。2006/01/01
泥々
0
「私はこのように生まれた」んん〜まさしくBorn this way.2013/06/09
Maumim
0
病院の待合室で読んだ。2002/12/31