内容説明
おぞましいと排除され、珍奇として見世物に供され、翻ってはまた、聖なる存在と崇められたフリークス。文学・美術はもとより、心理学や人文諸科学のさまざまな領域に影の主役の如く君臨するフリークス。そして、己れの内なる幻想と欲望の投影としてのフリークス。その顕現と隠蔽の構造を詳細に解きほぐし、２０世紀文化の核心に肉薄する。
目次
１ 小人たち―クノウムホトポウから親指トム将軍まで
２ 小人たち―イメージの転換
３ 巨人の夢
４ スーパーマンとスーパーウーマン―夢の陰の恐怖
５ 美女と野獣―醜さのエロス
６ 野生人と野生児
７ 両性具有者たち
８ シャム双生児たち
９ 神学から奇形学へ
１０ フリークスと文学上の想像
１１ フリークスの沈黙とサイド・ショウのメッセージ
１２ フリーキング・アウト
１３ 突然変異体の神話と奇形のイメージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
3
一読し、不具者への視点が見世物感覚から脱していないと思った。一方、訳者は「スティグマを浮上させる鍵としてフリークスをとらえている」と著者を持ち上げている。どちらか計りかねる。2019/01/26
うにこ。
2
奇形の人たちの立場の、時代による移り変わりや健常者側の理屈付けの変遷、奇形の人たちの生計のたて方や歴史に名を残す奇形の人たちの人生、過去から現在までの彼らの解放運動、芸術側からの奇形の扱いなどなどについて。大まかに歴史編・芸術編と別れてます。 見せ物小屋大流行だった時代のサーカスの宣伝写真や医学的なスケッチ・写真、宗教的、芸術的、商業的その他様々な目的による奇形を描いた絵画なんかもふんだんに使われてて、電車の中とか他人の目があるところで見るのはおすすめできない。2003/09/17
すけきよ
1
座右の書
大ぶぶ漬け人
0
資料として大いに有用。
飛鳥なつめ
0
ほとんど斜め読み。神話やら新世代フリーク云々の内容は全然面白くなかった。映画「フリークス」の登場人物や裏話なんかは面白く読めた。片目の豚が生まれた話を読んで、かつて自分自身の目でそれを見た事を思い出した。多分まだあそこにあるはず…2012/04/07
