内容説明
生物学、哲学、心理学、サル学からアニメーションまで、最先端の現場から知見を集め、「唯脳論」の解剖学者が、「身体という自然」を失いつつある現代人に警鐘を鳴らす。
目次
悲鳴をあげる身体(鷲田清一)
唯幻論と唯脳論(岸田秀)
男と女の系統発生(団まりな)
脳は脳をどう見ているか(大森荘蔵)
脳の形式を見る(池田清彦)
形とは何か(金子務)
生のリアリティ(中村雄二郎)
動きと形(林静一)
サルから見えるもの、死体から見えるもの(河合雅雄;立花隆)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sun
10
「身体の事を考えているのは脳だから、ある意味、身体は脳に収められている。しかし、その脳は身体に収められている。」「人間が作った物はすべて人工だが、人間は自然だ」2016/09/19
tk
2
岸田秀と大森荘蔵の対談が良かった。2011/06/25
さちめりー
1
1991年から1997年までの対談を集めた本。養老先生は1995年に東大を57歳で退官されているので、その前後の対談。専門的な特に哲学の前知識が必要でかなり高等な数々の対談に凡人置いてきぼり。2回読んでやっと半分ついていけた感じ。著書「唯脳論」では随分非難もあったそうで実際かなり不満げな文科系の方との対談もありヒヤヒヤする。伝えても伝わらないこんな難儀な対談の経験が2003年発行の『バカの壁』の肥やしになったに違いない。「「現実」とは個人の脳が決定していて人によって違う」ともう既に先生は明言している。2025/05/29
ヨコ(hitoshio)
1
養老センセは相変わらず面白く、対談者の中では大森の荘ちゃん(実家での渾名)が素敵だった…と考える私は生物学より哲学がスキなんだろうな。2016/04/15
KAKAPO
1
人間の本能は、壊れている。 確かに、私たちは、頭で考えたことに、 行動の制約を受けています。 恋愛だって、本能や感情というよりも、 世間体とか、体裁とかに振り回されている人も 少なくないような気がしますし、 目を背けたい現実から逃れるために、 自分にとって楽な恋愛に (相手にとって都合の良い道具になってしまうような) 落ちていってしまうことも少なくないようです。 そうして、期待して裏切られ、相手も自分も 信じられなくなって、幸せになるための 手がかりさえ、見つけ出せなくなってしまうのかも しれません・・・2008/06/01