内容説明
現代思想のエッセンス。透徹した知性と炎の情熱で、既成概念を粉砕し、現代思想を方向づけたヴィトゲンシュタインの思索の核心。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
60
ヴィトゲンシュタインに痺れていた頃、彼に関する本は片っ端から。その中でも本書は秀逸。哲学書であり宗教書であり、詩文であり箴言集でもある。みんつぶで、丘澤さんの名を観て、曾ての自分が呼び覚まされた。ヴィトゲンシュタイン入門書としても素晴らしい。再読必須だな。
吉野ヶ里
14
ウィトゲンシュタインくんのメモ。アフォリズムでも読むくらいの感じで読んだ。シェイクスピアが好きじゃなかった。結構、自信家だったんだな、と思った。引用とかに良さそう。これだけではなんとも。2016/03/19
凛
11
初ウィトゲ。簡単な言葉の羅列なのに遠い所に連れて行かれる。全く新しい文法のように感じた。一つの不完全だが完全な世界観。この世界で生活することはまだ出来ない。時々観光旅行しに来よ。2014/12/21
ディヴァイン
6
私、哲学や芸術や建築に関わる言葉に興味は惹かれなかった。が、最後に冠された詩は素晴らしすぎた。綺麗で、まっすぐで飾らない言葉。これだけでも読んでほしいくらい上質です。2010/04/19
午後
5
ウィトゲンシュタインの書いた断章のうち、哲学とは直接的な関係が薄いと思われる断章を集めて編集したもので、ブラームスやメンデルスゾーンなどの音楽、シュペングラーやショーペンハウアーへの言及、シェイクスピアの業績やカトリックの信仰についてなど、文化史的な話題への言及が多い。自身の哲学のスタイルについて書いているところもちらほらあって興味深い。基本的に思いつき、覚書の類いなので読みやすい。「すぐれた比喩は人の精神を新鮮にする」。20世紀以降の哲学はしばしば難解な比喩を通じて表現される。その事実との関係を思う。2020/08/04