内容説明
武満にとって音楽とは、響きをつむぎ、自然と交感する歓びを私たちひとりひとりと分かち合ういとなみに他ならなかった。水、鏡、夢、庭など、武満を象徴するテーマを読みとき音楽を通して音楽を超える宇宙を召喚したたぐいまれな感性の内奥に迫る。
目次
ピアノへ・ピアノから
武満徹と日本の戦後
水・鏡
コラボレーションと友愛
夢の地図あるいはクラインの壺
宛先と「うた」の分有
音楽の庭
谷川俊太郎と大江健三郎
小説『骨月』をめぐって
題名と翻訳
マルジナリア
自然とコスモロジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の紙魚
2
その名前がすでに伝説の一つの、彼の作品には特別ななにかがある。その何かに至るイメージと武満徹の残した言葉。小説までチャレンジしたとは知らなかった。骨、bone,ぼーん。響き合う言葉とイメージ。雑誌に連載されていたときの写真付きの文章も是非見てみたかった。そんなことを言いながら、武満徹の曲で実際に聞いたことがあるのは少ない。私にとって印象的なのは何年も前に観た「水の曲」。能舞のための音楽でありながら能ではないような、でもやっぱり能の世界であるという不思議な体験だった。「ノベンバーステップス」も聴いてみよう。2022/07/30
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