内容説明
迫害の記憶を越えて。歴史なき者たちの歴史。「国家」と「歴史」の狭間を彷徨い続けてきたジプシー(ロマ)民族。彼らは流浪の内に独自の言語と文化を育んできた。90年代の東欧を旅し、ジプシーと共に暮らしたユダヤ系アメリカ人女性が、知られざる彼らの生活と歴史をして未来を、繊細な感性で描いた迫真のルポルタージュ。
目次
1 アルバニア―ドゥカ家の人びと
2 ヒンドゥーペン―ヒンドゥーであること
3 アントワネット、エミリア、エレナ
4 世界でもっとも素直ではない民族
5 向こう側
6 ツィゴイナー・チップス
7 ポライモス―ジプシーのホロコースト
8 存在したいという誘惑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tsubomi
9
2017.01.12-02.12:ジプシーの歴史と現状について、実際に彼らの集落で生活したり長時間のインタビューをしたり資料を探ったりしてまとめた渾身のルポ。東欧での取材が中心で、特にルーマニアで中世には王が傭兵としてジプシーを受け入れて、それなりに遇していたものを近代になるに従って異質な存在として社会から排除したり無関心を装ったりし、共産主義体制下では少し安定した暮らしが約束されるも民主化されたことで差別が極端に悪質なものに変質していったこと等、知らないことがこんなにあるということに衝撃を受けました。2017/02/12
Roti
7
欧州を旅していて不思議な存在であるジプシー。特にストックホルムの中心地には多くのロマ(ジプシー)が路上に住み、飲食店の閉店とともに余ったパンや食材をもらってきては家族で分かち合う彼ら。どこから、いつから欧州諸国に住み、なぜいるのかをこの本は説明する。見たまま聞いたままを伝えるルポルタージュであり、ニュートラルな立場で淡々と語る著者の文章はこのテーマに合う。それだけこの問題は白人側、ロマ側の双方の立場ともの傾倒できない難しさを持つ。しかし犯罪に手を染める人々を作らない社会は必要である。2015/05/18
赤坂ナイン
4
日本では馴染みの薄いジプシー(ロマ)について書かれた一冊です 著者が実際に、東欧に住むジプシーに会う為に各地を訪ね、そこで明らかになるのは、ほんの十年前に起こり、そして今なおあり続けるジプシーと他民族との確執や暴力だった。ファンタジーな存在としてのジプシーではなく、現実を生きるロマを知るにはもってこいな内容です。オススメオススメ2009/01/25
blueways
3
長い本。だが、読み進めてしまう。全ては作者の実際の体験記だが、そこに何十人という人間くさく個性豊かな登場人物と、その裏にいる(いた)名もないロマに魅せられるからだろう。起源の立証部分は特に面白かった。(言語学的にもヒンドゥーと似通っている等)実際のロマを感情的になりすぎず描写した貴重な本だと思う。この本と出会って困ることは、今後近所そこらじゅうで出会うはめになるロマに、どう対処していいか悩むことだ。それはとりもなおさず、(冷たいようだが)この本が彼らを「人間」として認識するきっかけになったということ。2011/08/08
アー
1
ジプシーという言葉を、単に「放浪者」としてしか捉えていなかった。 この本が訳されたのが1998年。そして今もロマと呼ばれ彼らは存在している。 国を持たない彼らと、国に守られあるいは縛られている私達では文化や感覚に大きな隔たりがある事もあり、簡単には理解しきれないだろう。少しずつ知ることから始めたい。2019/01/17
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