内容説明
江戸の大規模な都市開発は多くの怪異現象をよび起こした。それらの不安を鎮める稲荷や地蔵の祀堂に庶民は何を祈ったのか。その祈りはやがて富士講や御嶽講のうねりを生み出し、お蔭参りやええじゃないかのエネルギーともなって爆発する。江戸における庶民信仰の成立と展開をあとづける野心的な試み。
目次
1 江戸の地霊
2 江戸の流行神
3 江戸の他界―ヤマと都市を結ぶ回路
4 江戸の心願
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bks
1
骨や水死人の漂着したのを丁寧に供養すれば、それにご利益がつくという考えが面白い。 更にはなかなか捕まらなかった犯罪者の運の良さを見込んでご利益を求めたり、信仰はなんでもアリ。2020/12/29
ひひひ
0
読みやすい民俗学の本。江戸末期には稲荷神社が多く信仰されていたとのことだが、近所にその稲荷の社があることを知ったので、今度足を運んでみようと思う。2013/04/22
tengusa48
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江戸時代の流行神についてのアレコレが書かれた本です。庶民に大切なのは現世利益なんだぜぇ!とばかりに色んな神様が流行っては廃っていく様子が色々とかかれております。狐憑きで稲荷が増える様は、怪異が信仰を得て神になる理屈そのものだなて読みながら思いました。2018/07/28