内容説明
オースティンの食卓、ディケンズの炉辺。ようこそ19世紀の英国へ。プディングはどうしてイギリス人の大好物になったのだろう。市場で妻を売る話は本当にあったのか。社交界、セレモニー、エチケット、狐狩り、服装、セックス、救貧院など、19世紀イギリスの風俗と習慣を描いた百科全書。付―ヴィクトリア朝小説を読むための手引き。
目次
奇礎的知識
社会生活
交通機関
地方生活
個人生活
苛酷な世界
ヴィクトリア朝小説を読むための手引き
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
10
19世紀イギリス文学を趣味として愛読したり、研究しているアメリカ人のために書かれたガイドブックの翻訳。読んだことのある小説でも、けっこう地味~な箇所がとりあげられたりしているので「え、そんなトコあったっけ?(笑)」になったりも。巻末のグローサリーはかなり詳しく、(英和だと分からないニュアンスのようなものが多い)原書で読むのにはとても便利そう。この本、欲しいです。 全体的にヴィクトリア朝文化がてんこ盛りなのだけれど、奥が大変深く、あまり他では取り上げられていないことも多かったです。2010/10/15
J・P・フリーマン
8
ヴィクトリア朝時代の文化・生活を幅広く取り扱った書物。この本の根底にはディケンズなど当時の作家が書いた名著の何気ないシーンをわかりやすく解説するといった目的があります。「ヴィクトリア朝以前はこんな習慣だったけど、ヴィクトリア朝に入ってから(もしくはある時期から)こう変わりました」という紹介が多いです。広く浅く、ときどき当時の小説のシーンを交えながら解説しているという具合です。2019/12/15
きりぱい
5
19世紀イギリスの風俗や習慣の解説。タイトルや序文にはそそられるが、読み物としては大いに期待したほどのおもしろさはなかった。ディケンズやオースティン、ハーディやブロンテ姉妹など、その時代を代表する作家の小説がたくさん例に取り上げられているので、読んだ作品であれば手引きとして楽しめる。後半の事典部分は日本語表記ではないので原文で読む人向きかも。2009/05/03
W
1
図書館で借りて読んで、速攻購入しました。19世紀の主に貴族階級の生活全般について知りたい人には最適(さらに掘り下げたい場合は都度別の文献を参照するのが良さそう) 個人的に、これまで気にも留めてこなかった屋敷の呼び方一覧に興奮しました。呼び方一つでどんなタイプの建物か推測できるとは……。2024/04/17
みこれっと
1
「図説メイドと執事の文化誌」と時代が似通っているのですが、こちらは上流社会の生活なども載っています。どちらかというと上流階級じゃない人々のくらしぶりのほうが興味深いです。巻末に辞典のように用語解説がついていて調べ物をするのにもってこいの本ではないでしょうか?この本に興味ある方は、岩波文庫の「十八世紀パリ生活誌」も時代は少しズレますが興味深く読めると思います。2014/12/11