内容説明
人間は、つねに、自己と他者をカテゴライズする。その最も手近なカテゴリーが人種とジェンダーだ。世紀末のヨーロッパでは、医学や生物学のデータでさえ、ユダヤ人を特異化し、差別化した。科学者として同時代の知を共有し、ユダヤ人として差別に苦しんだフロイト。その葛藤が、抑圧の理論として、フロイトの心理学を生みだした。豊富な資料で描く精神分析学誕生の現場。
目次
序章 フロイトのユダヤ的アイデンティティ
第1章 ジークムント・フロイトと人種認識論
第2章 ユダヤ人男性の身体
第3章 ユダヤ人・狂気・ジェンダー
終章 癌と反ユダヤ主義
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- 和書
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