内容説明
古朝鮮建国の祖として、いまなお韓国で親しまれている檀君の物語や、高句麗・百済・新羅などの建国神話、李成桂や処容郎の説話まで、韓国・朝鮮に古くから伝わる神話伝説を、比較神話学の最新の成果を駆使して紹介する、豊饒な神話世界。古代日本文化の「もう一つのルーツ」。
目次
1 創世神話
2 檀君神話―古朝鮮建国神話
3 建国神話
4 説話伝説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛇の婿
11
神話に対する論考が嬉しいところですが、申し訳ないがこの論考がかなり甘いです。そもそもの資料自体の少なさに加え、かなり日本、中国を意識しているせいで突っ込みどころがかなりあります。たとえば檀君神話ですが、十三世紀の僧侶が『魏書によると、今から二千年ほど前に檀君と言う王がいた』と書いている、これはきっと『魏書に二千年前と書いてあったのだ』から魏書成立から二千年前の事だ、ちなみに『本物の魏書にはそんなこと書いてないし書いてる本なんか残ってない』がきっとそういう本があったのだ。朝鮮のほうが歴史が古いという事になる2014/08/15
ろーじゃ
1
朝鮮半島の神話の大きな特徴として、『人間が卵から生まれる』『虎・亀が頻繁に登場する』事が挙げられます。強い虎を従える程の神通力を持った神様や王様が、民間信仰で崇められ、虎自身も像としてお寺やお墓に置かれる事が多いそうで。 以前、韓国の新聞で自らを"アジアの虎"と喩えてる記事を見ましたが、なんか納得。2012/08/22
Bungorai
1
韓国の主に建国に関わるお話を集め、解説した本。魏志や漢書などを参照してリアリティや説得力を出しているが、作者のいうとうりそのまま伝説を歴史として受け入れるのではなく、古代人の想像力や発想を楽しむことを目的に読まれるべきであろうと考えた。誤解のないように書けば本当の歴史はよくわからないがもしかしたらそんなことがあったであろうと考え、味わうのが一番楽しいのではないであろうかという読書体験をさせてくれる一冊であるといえる。2012/06/17
ノメ
0
高句麗、百済につながる系列と新羅、伽耶では神話の内容が異なるのを初めて知った。朝鮮族の天孫のルーツが複数あり、姓がどこに属するかなどの知識をえるには最適。2015/11/24