内容説明
明治初期に来日し、アイヌ文化の研究と称揚に生涯を捧げたイギリス人宣教師ジョン・バチラーの鏤骨の労作The Ainu and Their Folk‐Loreの完訳版。アイヌの宇宙観・自然観・制度・衣食住など、当時でなければ収集しえなかった、厖大な伝承と習俗の体系を、テーマ別に集大成した貴重な記録。
目次
アイヌの起源について
穴居民とアイヌ減少の理由
入れ墨
世界の創造
宇宙論的な事柄
キューピッドと英雄オキクルミ
ヤナギのトーテム
ヌサとイナオについての総論
イナオ呪物の主要なもの〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
93
イギリス人バチラーは,キリスト教布教のためにアイヌ語訳祈禱書を書いていることが,大塚和義の栞の「バチラーのアイヌ研究」にある。 The ainu and their folk lore. は戦前にも「アイヌ人と其説話」として訳が出ているとのこと。 バチラーのアイヌ語の辞書に対する批判があるが, バチラーが切り開こうとした努力を批判するものではないことが大切かもしれない。 安田一郎の,「バチラー小伝」,「訳者あとがき」 がある。養女にアイヌ歌人のバチェラー八重子がいる。2013/07/29
okumixi
1
現在手に入る多数の入門書解説書研究書と微妙に齟齬のある記述が目立ち、訳文のせいもあるのか堅苦しい文体に手こずった。全部を丸ごと受け入れることはできないにしても貴重な労作であることは間違いない。2010/06/11