シャーロック・ホームズの世紀末

シャーロック・ホームズの世紀末

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 494p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791752737
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C1090

目次

ベイカー街221Bの政治学
ドイル家の秘密
ドイル、貧乏医者の頃
女の医者、女の旅行家、女の探偵
スコットランド・ヤードと探偵たち
犯罪は東方から―スラム街と切り裂きジャック
『ストランド・マガジン』
画家リチャード・ドイル
歴史への関心
ボクシングに魅せられて
ジプシーと暮した男―ジョージ・ボロウ
笑うシャーロック・ホームズ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

37
中学生ころからのシャーロッキアンで、一時はシャーロック・ホームズという名がついているものをほとんど集めたり読んだりしていました。年をとってくるとそのような傾向も薄れ正典といわれる、コナン・ドイルのものだけを最近は読んでいます。その中でもこれは、20年ぶりの増補をしたということで読みました。英米文学の先生が書かれただけあって、かなり中味はしっかりしたものです。増補部分は「ハドソン夫人(シャーロック・ホームズの大家)の読んだ雑誌」ということで「ストランド・マガジン」についての論考です。2015/02/27

take0

18
1993年刊。「シャーロック・ホームズの世紀末」であるよりは作者「A・コナン・ドイルの」世紀末という内容で、作家・ドイルについて、彼が作家として活躍した時期の英国の風潮や社会等を絡めつつ考察している。「ホームズ」ものの作者であるよりは歴史小説作家としての自認、ボクシングをはじめスポーツ愛好家、愛国主義者、フェアプレー精神の信奉者、スピリチュアリスト、多面的なドイル像が描き出されていて、また当時の英国の帝国主義的情勢についても興味深く、なかなかに読みごたえのある一冊。2018/12/27

Ecriture

14
ホームズものに限らず、ドイルの作品と生涯を当時のイギリスの文化・歴史的背景と共に分析する。女王の絵に銃を撃ち、コカイン漬けになる一方で、スポーツマンで冒険家の健康的なイメージと愛国性も併せ持つホームズには、故郷の感覚を持たないながらイギリスの厄介になるしかないドイルやその他大勢の移民たちの姿が見える。当時の新聞をもとに「ヴィクトリア朝」・「デカダンス」の入門書的な理解を覆し、犯人の人種から移民流入都市ロンドンの政治性を再考する。厚みのある手堅い研究。素晴らしい。2013/04/07

ぽま

4
人口に膾炙したホームズ譚の読み解き方から離れ、当時の世相や文化、作者コナン・ドイルという人間の人生背景などを軸に、ヴィクトリア朝を多角的に眺める。特に正典に拘泥しているというわけではなく、文学論的なアプローチを期待して読むと肩透かしを食らうかもしれない。「ドイルがホームズ物語の中に書き込んだ(略)関心とは、その対象そのものに対する関心ではなくて、そうした関心に対する[市民の]関心ではなかったか(略)。登場する風物や情景が奇妙なほどに類型化して見えるのは、そのせいではないだろうか。」非常に鋭い着眼点である。2012/10/26

おちこち

4
シャーロキアン的な読み方を拒否しながら、コナン・ドイルの生涯と言動を論じた本。父親に対する複雑な感情や戦争と政治、スポーツ好きによるフェア・プレイの精神、さらには晩年に没頭し続けたスピリチュアリズム。19世紀末のイギリスを生きた一人の作家の人生がうまく浮かび上がってきている。2012/06/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/220840
  • ご注意事項

最近チェックした商品