内容説明
時間とは何か?空間とは何か?現代物理学・生物学・音楽・美術など、さまざまな領域にわたって、宇宙誕生から現代に至る時空概念の変遷を刻明に跡づけ、新たなるコスモロジーの構築を図る。
目次
生命の時空への適応
混沌への適応
初期人類の宇宙像
時間の流れの法則と秩序
古典的な時間と空間
哺乳類の基盤の割れ目
空間、時間、量子
新しい現実の創造
現在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
14
初読は多分、30年以上前だろう。読み切ったがアインシュタイン以降は殆ど理解できなかった。再読は読書時間が取れたからだ。昔、忙しく、音楽や美術から離れる日が続くフラストレーションの中、恩師に勧められた本だ。しかし、当時、最後まで読んだが、結局は読み取れていなかった。今回はじっくり読んだ。素晴らしい本だ。まさに、物理と芸術を貫く名著。内容は現代宇宙論だが、実際は人類芸術史。蛙はともかく哺乳類なら体験しているかも知れない。巻末の物理も良いが、ギリシャやルネサンス、古典主義から世紀末にかけての芸術空間が面白い。2023/06/26