エディプスと阿闍世

エディプスと阿闍世

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784791751525
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1011

内容説明

フロイトは、エディプス・コンプレックスの発見を、人類に対する彼の最大の貢献と自負する。だが、それを強調するあまり、愛や優しさの源泉としての〈母なるもの〉を見落とした。母と子の強靱な一体感・愛憎関係から、独自の心性を織り上げる日本型母性社会を、阿闍世コンプレックス=母性原理の視座から大胆に捉え直す―。

目次

1 フロイトにおける阿闍世コンプレックス(ベベ・イマジネール―想像の赤ん坊;揺らぐ父の絆―クバート・シンドローム;男性月経社会に学ぶ―メイル・メンストレーション;モーゼ像とマリア崇拝―隠された妻と処女降誕神話)
2 フロイトからフロイト以後へ(ファミリー・ロマンス―真実を隠す家族空想;アンファン・テリブル―フロイトの恐るべき子供たち)
3 母子相互作用の探求(ヒューマン・アニマル・ボンド―人とペットの交流;モーニング・ワーク―リビドーの固執性;母性剥奪―その二つの社会的背景;母性愛神話の行方―マターナル・アタッチメント)
4 フロイト像の変遷(フロイト像の変遷)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

邪馬台国

2
エディプスと阿闍世については主に前半。学会での出来事や著者の近況など、専門的というか、内的な小路に入ってしまう題材が多くて、期待していたものと違った。2014/12/25

まーくん。

1
エディプスは父性原理の世界。阿闍世は母性原理の世界。父親がいることの意味、役割。母親がいることの意味、役割。それによる自己同一性の確立。子供(娘)に比べ、子供(男)は母親から精神的にも肉体的にも痛みを伴った自立を行わなければならない。しかしそれが上手くできないと男性は女性的な内面を持つことを自ら軽蔑しそれ故に女性蔑視に繋がる。息子は父親に父性を、それでだめなら身近の男性に手本となる父性を見出そうとするが草食系なる男性が増えた?現日本では見出すことが困難となり、近年見られる男性の女性化はこれも一つの原因では2013/04/25

doni

0
エディプスコンプレックスと阿闍世コンプレックス。前者が父親との対立なのに対し、後者は子の母親に対する怨み。母子の一体感から子(特に男の子)が分離・個体化する際に、両性具有的な全能の母親という幻想が崩壊する。そこからくる女性恐怖、恨み、攻撃。阿闍世の根底には女性嫌悪の集団的無意識がある。なるほどなと思わせる。2012/06/05

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