内容説明
かつてヨーロッパ全土を舞台に活躍した謎の民族ケルトの伝承を、神話学の最新の成果を背景に編みなおし、雄渾な英雄伝説、祈りをこめた再生説話、神秘的な妖精物語など、ヨーロッパの始源に横たわる豊穣な神話世界を探る。
目次
1 ガリアの神々と島の神々
2 トゥアッハ・デ・ダナン(女神ドヌの部族)
3 ブリテンの神々
4 島のケルトの女神たち
5 英雄伝説
6 神権王政
7 来世
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takayuki Oohashi
15
「アイリッシュ・ハープの調べ」でケルト神話に興味が出て、図書館から借りて、読んでみました。神話そのものの物語性というよりは学術的な研究の方が中心で肩透かしを食らいました。でも、「邪眼」のバラールや、フィンの妻のグラーニャの寝取られの話など、興味深い逸話が多く、創作意欲が大分刺激されました。北欧神話では運命の三姉妹の記述があったのですが、ケルト神話では大地の女神というのはあるみたいですが、そこまで役割が象徴化された女神はいないみたいなので(モルガンというのはいますが)、残念でした。2016/05/31