内容説明
最古層のドラヴィダの伝承から、アーリア人のヴェーダ神話、さらにはそれらを源泉として絢爛たる展開を示したヒンドゥー神話、仏教神話、ジャイナ教の神話など、深遠な宇宙論から世俗的な愛憎の物語まで、今なおインドの人々の生活を律しつづける濃密な神話世界。
目次
1 宗教と歴史
2 初期の神々
3 ヴェーダの神々
4 ブラーフマナ時代の発展(時と宇宙の創造;人類の創造;汎神論と多神教)
5 ヒンドゥー神話(ヒンドゥー3神;ヒンドゥー教におけるヴェーダの神々;新しい神々;女神;動物神;神としての山、河、池 ほか)
6 仏教神話
7 ジャイナ神話(ジャイナの宇宙輪廻;ジャイナ教の宇宙)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
24
基礎になったドラヴィタ人の物語からヴェーダ、ヒンドゥー、仏教、ジャイナ神話と広い範囲をカバーした一冊。神話を経典として整備してきた国のため、話の内容や神々の詳細が書き込まれているので世界観が分かりやすい。ヴィシュヌが中心というか化身も含めて魅力的で躍動感があり、化身が同時代に2人いるというカオスな展開も含めて面白い。本書はクリシュナの物語に特に紙幅を割いている。ラーマヤーナやマハーバーラタは少ししか触れていないのが残念だが深掘りした本を読む準備は出来たので機会をみて挑戦したい。2024/10/04
allite510@Lamb & Wool
13
ヒンドゥー教のややこしさは、統一する経典が存在しないことと、それぞれの地方の神や地母神を際限なく取り込んだ故の地方による大きな差異と矛盾、それぞれの信じる神によって同じ神話のエピソードの登場人物や結末がいちいち変わることなど、どう控えめに言ってもカオスなので、簡潔にまとめると差し障りがありまくるということだ。まとめてしまうと誰かが怒る(と思う)。しかし一神教の解釈の難しさとは全く異なるこの混乱は、激しく魅力的でもある。ヒンドゥー教成立以前のドラヴィダ人の宗教、アーリア人のヴェーダの宗教、(→)2018/12/27
水蓮
5
「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー」を読んでからずっとインドの神々について読みたかった。学校の図書室でインド神話ヒンドゥー教などについての本を吟味した結果これが一番私の理想に近い本だった。ほかの本だとプリティヴィーやディアウスについて何も書かれていないのに対しこれには結構盛り沢山。満足。神話おもしろい2015/03/02
木上
1
取り急ぎマハーバーラタ部分だけ。 一節分に圧縮し箇条書きなもんで初見だと聞き慣れない名前や役職のせいでオフチョベットしたテフをマブガッドしてリットを作る状態。「ドラウパディーこんな序盤で退場だったっけ?…違うドラウパディーだった」があるので海外古典はよぉのきもち。取り敢えずユディシュティラ、思ったよりドゥルヨーダナ嫌いだったんだなぁという気持ち。ビーマがドゥルヨーダナ死体蹴りの件で地獄に落とされてたけど個人的にははらぺこ罪で地獄行きのがどうしようもなくて好き。2023/11/07
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