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内容説明
マニエリスムからシュルレアリスムへ。幻覚を形象化し、倒錯の美に生命の水をあたえて、われわれの内なる現実に鋭い亀裂を生じさせる異貌の美学。
目次
空間恐怖と魔術(スワンベルクとブロオネル)
女の王国(デルヴォーとベルメール)
イメージの解剖学
卵・仮面・スフィンクス(レオノール・フィニーの世界)
夢みる少女(バルテュスの場合)
混沌から生成へ(タンギーの世界)
マグリットの冷たい夢
神の香具師ゾンネンシュターン
サルバドール・ダリの両極性
光り輝くルネサンスの幻影
『百頭の女』と『スナーク狩り』(マックス・エルンスト)
ピカビアと機械崇拝
存在し得ない空間(M.C.エッシャー)
ボマルツォの「聖なる森」
崩壊の画家モンス・デシデリオ
だまし絵・ひずみ絵(ホルバインその他)
メタモルフォシス(アルチンボルドを中心に)
一角獣と貴婦人の物語
北欧の詩と夢(ベックリンとクリンガー)
密封された神話の宇宙(ギュスターヴ・モロオ展を見て)
幻想の城(ルドヴィヒ2世と郵便屋シュヴァル)
人形愛
玩具考
仮面のファンタジア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
12
芸術作品のムーディーな印象録。相変わらずこの人の感受性の襞の多さには瞠目させられる。とはいえ大半の絵画や彫刻に関するものは紹介という感じが強く、思弁的なものを求めると後半の人形と玩具と仮面に関する三つの文章が際立っている。そのうちの一つである「人形愛」が個人的には全体の白眉。そのなかの〝デカルト・コンプレックス〟なる概念は失われた不可能なものとして疑似的な子すなわち人形を捉え、自らは疑似的に父になり、その叶わぬ憧憬を人形に見るという関係性への執着を指すらしい。いわば一人近親相姦的なオナニズムとのこと。2016/06/10
季奈
0
私が最も感銘を受けた項を言えば、ピカビアと機械崇拝の論であろう。 デペイズマンを創り出す為に目的性を剥奪された機械は単なるオブジェと化すのだが、これは後半の人形愛や玩具考、更には仮面の匿名性にも通ずる試みであるように思われる。 玩具というものは本来、形而上学的な性質を含有する物体でありながら我々の麻痺した理性はそれを忘却している。 人形愛、或いは独りよがりのセックスはメタフィジックを恢復せしめん行為だが、何とかしてその精神をトポロジカルに適応させることが出来ないだろうか。2019/04/25